「はつ恋」という映画で知った。大人の恋愛に、清純はない。 | 宮脇 流の「昭和を話そう」 ( BOSSのブログ)

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70年代や、あの時代に輝いていたアレやコレや。
クリエイティブディレクターが語る、「思い出のエッセイ」です。

はつ恋

写真は1975年、東宝系で公開された「はつ恋」という映画である。原作が、ロシア文学の巨星ツルゲーネフだと理解して観に行ったワケでは、もちろんない。ただただ、仁科明子が好きだったからだ。女性雑誌のモデルで人気を博し、当時お嬢様タレントという新しいポジションで活躍し始めた頃。なのに、この映画でもうセミヌードを披露すると聞けば、観ないワケにはいかなかった。仁科明子の眩しさを全面に押し出したアイドル映画だと思っていたら、意外と暗いテーマで、要するに不倫のお話。二谷英明という、ナイスミドルと言われたおじさん俳優相手にかるくヌードを披露していたけれど、それは美しいというよりも、なぜかショックだった。映画では、井上純一扮する青年の初恋相手として描かれていたけれど、映画同様、観ていた私の初恋相手でもあったかのような、そんな不思議なリアルを伴った作品だった。年上の、憧れのお姉さんに裏切られた孤独感。たぶん私が、多感な高校生だったから、そう感じただけだ。それにしても、可愛くて、気品があって、清純派のタレントがヌードになる時、嬉しいような哀しいような気持ちになるのは、なぜだろう。この数年後、仁科明子は現実の不倫を経て、松方弘樹と結婚した。たぶん、いつの日も、青年の初恋は、そういうカタチで終止符を打つのだろう。

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