
♪どうでもいいけど帰るの いるの 夜明けだよ まぶしいのは裸の胸さ♪という歌詞から想像して、初めて一緒に夜を過ごした二人なのは間違いない(この曲の主人公)。ただ、「どうでもいいけど・・」というセリフの歌い出しに当時は驚いた。恋の駆け引きと動揺がドッキドキと伝わってくるようで、今でも自分自身のそんな頃のそんな想い出にニヤリとしてしまう。写真のレコジャケは、1974年、19歳にしてはまだあどけなさが残る郷ひろみの8曲目のシングルで、「花とみつばち」。デビューから数年の郷ひろみの曲の中では、特にこの曲が私は好きなのだ。もっと言えば、曲というよりも、セリフ調のこの歌詞が好きだった。デビュー当時の郷ひろみの詞を書いていた岩谷時子という作詞家は、時々この手法を使うことがあって、加山雄三の「お嫁においで」もピンキーとキラーズの「恋の季節」も 、セリフ調の歌詞で始まり、全てヒットしている。そう言えば郷ひろみでも、「小さな体験」や「裸のビーナス」の岩谷節はセリフ調の歌詞だ。もしかすると、セリフ調のヒット曲の法則というものが岩谷時子にあったのかもしれない。さて、そんなことこそ、どうでもいいけど・・。季節は、春。時にはあの頃の、あの季節の青いセリフを思い出してみるのもいいだろう。僕たち二人は春咲く花とみつばちさ、肩の上に止まっていたい、なんてセリフは誰も言わなかっただろうけれど・・。

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