
先日、実写版の映画「ひみつのアッコちゃん」をTVで観た。主役の加賀美あつ子を演じたのは、今や大人気の綾瀬はるか。多少ムリはあるものの、みごとチャーミングに演出されていた。こんなにもファンタジックに描かれたら、原作の赤塚不二夫も草葉の陰できっとテレ笑いが続いただろう。原作のマンガは、1962年「りぼん」に連載というから、もう50年以上も昔。写真のコミックスを読み返してみると、少女マンガとギャグマンガの中間的なスタイルで、赤塚マンガとしてはかなり精彩に欠ける。それが、69年「魔法使いサリー」の後番組としてTVアニメ化されたのをキッカケに人気が爆発。その後、88年と98年にもリメイクされてアニメ化。そのつど、提供スポンサーのおもちゃのコンパクトは売れまくったらしい。♪そいつの前では女の子 ツーンとおすましそれはなぁに? それは鏡 鏡の中からツン、ツン、ツン・・♪主題歌はすぐに口をついて出るし、「テクマクマヤコン・・」の呪文も忘れていない。けれど、「おそ松くん」や「もーれつア太郎」、「天才バカボン」と並ぶ赤塚作品として受け入れることは、私には出来ない。原作には、「テクマクマヤコン」の呪文も登場しない。つまり、原作よりアニメや映画の方が完成度が高いのだ。赤塚マンガを離れても、半世紀もの間 衰えない人気は何だろう? それこそが、赤塚不二夫が描きたかったいちばんの「ひみつ」なのかもしれないなあ。
