その時代の中で、ジュリーは「君だけに」歌い続けた。 | 宮脇 流の「昭和を話そう」 ( BOSSのブログ)

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70年代や、あの時代に輝いていたアレやコレや。
クリエイティブディレクターが語る、「思い出のエッセイ」です。

君だけに愛を

昨年の12月に、ザ・タイガースが全員揃っての復活コンサートを開催したのは記憶に新しい。写真のレコジャケ「君だけに愛を」は1968年のリリース。タイガース4枚目のシングルで、♪君だけに!!!! ♪と、ジュリーが黄金の人差し指を向けると、失神する女性たちが続出した。ただ、歌手としてはソロの時代、つまり70年代の沢田研二の曲の方が私には鮮烈だった。72年の「許されない愛」に始まり、73年「危険なふたり」、74年「追憶」、75年「時の過ぎゆくままに」と名曲は続く。さらに77年「勝手にしやがれ」、78年「サムライ」、79年「カサブランカ・ダンディ」・・。よくもまあ、次々と奇抜な曲が完成したものだと思える程、全ての曲に迫力がある。そんな名曲に合わせたジュリーのコスチュームもまた魅力だった。歌謡曲時代に頂点があるとすれば、やはり70年代のこのあたりだと感じるのは、私だけではないだろう。80年に発表した「TOKIO」で、私の中でのジュリーは幕を閉じた。80年代の圧倒的な華やかさが、ジュリーを超えていったからだ。ひとつの時代を牽引し続けた「ジュリー」という歌手。その一曲一曲が錆びないのは、きっと時代の使命を背負っていたからに違いない。歌謡曲が、人の心を明るくさせた、そんな時代だったのだ。

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