
最近のTVは、どのチャンネルに合わせても似た顔ぶれのお笑いタレントが出演している。ちょっと食傷気味ではあるけれど、お笑いがお笑いとして登場しているから、まだいいのかもしれない。かつて昭和のある時期には、お笑いタレントの歌がブームになった。1972年にぴんからトリオの「女のみち」が大ヒット、73年には殿さまキングスの「なみだの操」がまたまた大ヒット。そうなると、柳の下の3匹目、4匹目を狙うのが芸能界だから、仕方がない。次々と、歌う漫才師が登場した。75年に西川きよしが歌った、写真のレコジャケ「愛妻ものがたり」もその一曲。妻との苦難の道を歌詞に託してはいるものの、正直聴けた歌ではない。当時の西川きよしと言えば、フジテレビ系(関西テレビ)の「パンチDEデート」やテレ朝系(ABC放送)の「プロポーズ大作戦」をはじめ、数々の人気番組を持った超人気漫才師。柳の下のどじょうどころか、うなぎくらいの迫力はあっただろうけれど、全く惨敗に終わってしまった。79年には、明石家さんまも「Mrアンダースロー」を発表し、これまた迷曲の仲間入り。80年代の「恋のぼんちシート」もひどかったけれど、餅は餅屋、お笑いはお笑いと心得て、昭和の教訓は肝に銘じておいて欲しい、ね。
