時代の光と影が爆裂した、「ハイティーン・ブギ」。 | 宮脇 流の「昭和を話そう」 ( BOSSのブログ)

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70年代や、あの時代に輝いていたアレやコレや。
クリエイティブディレクターが語る、「思い出のエッセイ」です。

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近藤真彦がまだマッチと呼ばれていた1982年に映画化され、その主題歌も大ヒット。♪ハイティーンブギ 未来をオレにくれ ! ♪ という歌で憶えている人も多いだろう。けれど、実は昭和マンガの名作。1977年から「プチセブン」という女性誌に連載されたのが、写真の「ハイティーン・ブギ」だ。77年という時代は、ロッキード事件の初公判や成田空港反対デモ等が勃発し、長く続いた高度経済成長に人々が疑問を抱き始めた頃だった。翳りを見せ始めた時代を描くように、マンガ家牧野和子は主人公に「元暴走族」という過去を背負わせた。リーゼントに革ジャン、レイバンのグラサン・・。かつても、ワルが主役だったマンガは数々あったけれど、惚れた女性のために更生していく主人公を私はあまり知らない。バイクを降り、リーゼントを止め、仕事に就こうするけれど失業・・そんな姿に自分自身を重ねた読者も多かったに違いない。不況の足音が近づいていた時勢だっただけに、経済成長の光と影がまぶしい作品だったように思える。82年の映画では、主役の藤丸翔をマッチが、親友でライバルの鳴海重を田原俊彦が演じていた。野村義男や三原順子も共演し、さながら金八同窓会のようでもあったけれど、アイドル映画としては迫力もあった。ただ、マンガの藤丸翔はもっと大人っぽかったけど・・ね。

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