
今でこそ正統派のマンガ雑誌だけれど、1968年の創刊当初、週刊少年ジャンプはかなり過激な少年誌だった。とりわけ異彩を放っていたのが、写真の「ハレンチ学園」だ。タイトル通りハレンチの極みで、マンガの中から始まったスカートめくりは社会現象にもなった。そのせいか、一時はPTAが騒ぎだし小中学生に見せてはいけないという物議、論争を繰り返したほど。そんなことはおかまいなしに、私たちは読みふけり、マンガ家永井豪の名は日本中に轟いた。69年には少年マガジンに「キッカイくん」を、少年チャンピオンに「あばしり一家」を連載し、どのマンガ誌にも永井豪のハレンチ旋風は吹き荒れた。ついに、70年「ハレンチ学園」は東京12チャンネルというマイナー局ではあったけれど、TVで実写化。あろうことか、映画にもなってしまった。もうPTAどころではない。ハレンチ旋風はどこまで行くのか・・と思ったけれど、もはや子供の興味を超え、そうなると誰のものなのかさっぱりわからなくなってしまった。「ハレンチ学園」を思い出す時、ハレンチやバイオレンス、政治やお金という異質のテーマをぶつけた少年ジャンプの気迫を同時に思い出す。ヒゲゴジラと呼ぶ先生の本名が、吉永小百合という秘めたギャグも、若い頃の永井豪と少年ジャンプの挑戦だったような気がする。
