世の中が失ったものを、ショーケンはずっと持っている。 | 宮脇 流の「昭和を話そう」 ( BOSSのブログ)

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70年代や、あの時代に輝いていたアレやコレや。
クリエイティブディレクターが語る、「思い出のエッセイ」です。

BOSSのブログ-ショーケン

タイガーマスクやあしたのジョーや、今年のキーワードが「復活」だとすれば。断然この人の復活を、そうショーケンだよね。昨年、映画「TAJOMARU」で将軍・足利義政役を怪演。CMでもウイスキー山崎で、小栗旬と共演をしている。写真は、75年のソロアルバム「惚れた」のレコジャケ。このアルバムに収められた「前略おふくろ」という一曲が倉本聰の心を揺さぶり、75、76年放送の名作「前略おふくろ様」を生み出したのは、有名な話だ。「前略」を観た翌日の学校の教室は、「あ、いやぁ、そのぉ」のセリフ回しで溢れていた。GS時代は別として、72年に映画「約束」で魅せた役者萩原健一は、73年の「風の中のあいつ」、74年の「傷だらけの天使」で何かを極めた。当時、殆どの悪童たちがショーケンに魅せられたのは、その何かだった。今の世の中が失っている、何か。
それは「惚れる」という感情かもしれない。どこかスネたような、無邪気な野蛮。悪童だけど、悪じゃない。正しいか、得するか、だけの好感度ではないからこそ、惚れる。それは、タイガーやジョーにもどこか共通しているように思えるのは、私だけかなぁ。

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