
一体、どうしたというのだ、この「タイガーマスク」現象は。タイガーマスクと言えば、1968年に「月刊ぼくら」に登場、70年より「週刊ぼくらマガジン」に転載され大人気になった。「巨人の星」「あしたのジョー」と並ぶ、梶原一騎原作の3大スポ根マンガなのだ。一見さえない伊達直人青年が虎のマスクを被った瞬間から超人的なプロレスラーとなり、虎の穴が放つ刺客たちを次々とたおしてゆく。まさに圧巻。その後に始まる、仮面ライダー等の「変身ものブーム」は実はタイガーマスクが起因していると、私は思う。思うついでに今回の事件を推察すると、やはり「変身願望」の現れではないだろうか。一見さえない人間も、タイガーマスクに変身することで小さな勇気も湧いてくる。性善説の浮上なのだ。ただ、タイガーだけかと思ったら、「矢吹丈」を名乗る者も現れたとか。こちらは、まさか映画のPRじゃないよね。70年代は正義がまだまだ強かった時代なのだ。