辻さんがいってしまった。

カナブンの時だって、いつもみたいに飄々と話してくれていたのに。そりゃ、元気はなかったし、見た目も以前のようにではなかったけど。

劇団でご一緒させていただいていた時は、あまり接点はなかった。とはいえ、高校時代の私を知っている方の一人ではあるわけで。
私がバックレてから数年後、たまたま阿佐ヶ谷の百均で遭遇したこともありました。お互い、どうしたらいいのかわからない空気バンバンで、「最近、どう?」みたいな会話をちょっとだけして。引っ越したばっかりで、なんて話してたっけ。
それから、公演を観に行くと、そーっと声をかけさせていただいていました。「大変だよ。疲れたよ」って、いつものトーンで同じ応え。
ペニノを観に行った時は、終演後に飲みましたね。テント以外で飲むのは初めてで、新鮮だったな。なんとなく、テンション高かった気がする。やっぱり「疲れた」は言っていたけど。

今は、舞台の下にいる辻さんのことばかりが思い出される。舞台上にいる辻さんの方がたくさん見ているはずなのに。
もっと観たかった。もっと話したかった。同じ舞台に立ってみたかった。

辻さん、お疲れさまでした。
ゆっくり休んでくださいね。