「ブラック企業」ってだけでとどまらずに、どうしてブラック企業が存在するのか考えついたら偉い。 | Blog de Unionism | にいがた青年ユニオンの労働問題相談所

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労働基準監督署が舞台になっているドラマが出てきたり、「ブラック企業」が話題になったり。

いままでは「フリーター」「ニート」と若者がどちらかといえば非難されていたのが、企業側に問題がある例として取り上げられるようになった。

残業代を払わない。
長時間労働で精神疾患に追い詰める。
パワハラで恐怖政治。

ここに注目する「入り口」として、ブラック企業の取り上げ方はよいと思う。
だが、しかし。
あくまで入り口であって、「出口」ではない。

つまり、ブラック企業という一企業の問題ではないと言うことだ。

ブラック企業を規制する法律はある。
だが、ブラック企業は存在する。なぜだろうか。

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そもそも、ブラック企業という言葉は新しく出てきた言葉なのだが、このような企業は産業革命の頃から生じていた。児童労働も当然だったし、14時間労働なんて普通だった。
パワハラも当然だ。
働けなければ、餓死するか、盗みを働くしかない。
そういう状況に労働者を追い詰めていたのだ。

しかし、2度の世界大戦を経験する中で、こうした貧困を放置しては全体の幸福にとって危機となることが明らかになった。

だから、経営者集団が暴走しないように、法律で規制しているのだ。
そして、それを実効的にするために、政府は法律で、労働組合は交渉と実力行使(ストライキ)で食い止めている。

さて、日本ではどうだろう。

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日本の政府は、経営者集団の暴走を止めるなんて考えは毛頭ない。
そもそも、いまの自民公明政権は、経営者集団のための政党だ。
経営者集団のために暴走しまくっていると言っていいだろう。

残業代ゼロ法案。
解雇特区。
再び作り出そうとしてくることは間違いない。

労働組合は、全国的なストライキはあまりない。
デモ行進などがあっても、周囲はイライラしている。
自らの権利は自ら守らなければならないという思想が欠如していると言ってもいいかもしれない。

自らの権利を守る。
これは、自らが人間であるという自尊心から出てくる。

いまの日本の労働者には、どうやら人間であるという自尊心を育てる教育がなされていないのではないだろうか。

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学校において、子どもの意見が尊重される場面は少ない。
「意見表明権」などどこ吹く風だ。
自分が大切にされないのに、自尊心が育つわけはない。

いじめは、見て見ぬふり。
そういう人間が育つわけだ。

そのまま社会に出て、パワハラに遭っている同僚がいても、見て見ぬふり。
こうして、ブラック企業は温存されることになる。

さて、いま、何をすべきなのだろうか。
答えは、ここに記すのを止めよう。
読者がそれぞれに考えていただきたい。