20年前からずっと好きな映画 | サトルのマイペースな日常

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2004年に公開され、今年で20周年となった


ULTRAMAN


現在では同名の漫画の方が知名度が高いが、俺が思い入れがあるのは映画の方である。


簡単な内容としては宇宙からやってきたザ・ワンという怪獣とウルトラマンの戦いを描いた王道のヒーロー映画なのだが、特筆すべき点はシリーズ特有の防衛隊ではなく実在する自衛隊がウルトラマンと共に戦うのだが、ウェットスーツ素材のぴっちりスーツのヒーローではなく、筋肉繊維に外骨格をまとった歴代でもトップクラスに異彩を放つビジュアルやそこから来る異形の存在としてのウルトラマンへのアプローチや現実に怪獣が出現してウルトラマンが戦ったらというシミュレーション映画とも言える作風となっている。


公開当時はその先鋭的な作風や配給会社である松竹の慎重な姿勢による広告控えから興行収入は失敗し、同年のTVシリーズであるウルトラマンネクサスの商業的不振により主導していた企画の頓挫と長年のツケが回って企業としての円谷プロダクションは存続の危機に瀕したのだが。


という話が逸れそうなのでこの辺に留めておくが、当時としては良くも悪くも異質異端であり、作品としての出来は良くとも一般受けには失敗した映画であった。


俺個人としてはネクサスよりも好きな作品という評価だったが、これがウェットスーツ素材のシームレスボディのシンプルなウルトラマンだったらもっと見やすかったけど、あの独特な作風の質感は損なわれていたようにも思う。


玩具化を前提としない作品故に立体化に恵まれない作品だし、S.H.Figuartsを出すにしてもプレミアムバンダイ限定が関の山と言える。


そんな本作は隠れた名作として一定の認知度を誇っていたが、2022年公開の『シン・ウルトラマン』による再評価路線を辿り、同年のAmazonDVD売上で特撮部門1位を記録した。


その意味では本物の品質ながら商売では心許ない作品故に円谷プロダクションの商売下手さを印象付ける作品だった。


その意味では現在の円谷プロでは作れない作品ではあるが、変身者が父親の人間や特撮の野外撮影やCG多用という面では個人的には現在のニュージェネレーションヒーローズにも多大な影響を与えていると思うし、全てがマイナスとは言い切れない映画だと思う。


作品の見所としては息子を持つ父親がウルトラマンとなった事による葛藤や恋人を怪獣にされたヒロインの苦悩と覚悟、主人公と息子の約束、マクロスシリーズの戦闘演出で知られる板野一郎氏によるドッグファイト、2000年代初頭の新宿風景によるリアルな質感は今のウルトラマン初心者には勧めやすい一作だと思うし、何よりも予備知識無しで楽しめる作品というのも強い。どうしても特撮ヒーローの映画はTVシリーズと繋がりがある作品ばかりだし、知識ゼロで楽しむには思いの外難しいジャンルだからだ。


その意味では特別な映画として今なお燦然と輝く名作だと俺は今でも思っている。