佐々木望の著書を改めて読んで | サトルのマイペースな日常

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声優の佐々木望さんが2023年に刊行した


声優、東大に行く


が最近俄に話題を呼んでいる。昭和の末期から平成の初頭に絶大な人気を誇った佐々木望さんは重度の声帯炎を患い、発声法を学ぶ中で勉学の楽しさに目覚め、大学に行きたいから東京大学を受験する切っ掛けと勉強法が書かれた自伝ですが、個人的には勉強の話題よりも佐々木さんが東大に行く切っ掛けの話や声優人生の断片を語りつつ読んでいくと


切っ掛けの積み重ねと熱意と行動力が合わさっての東大なんだなと思ったのです。


東京には沢山の大学があって、佐々木さんが通える条件に叶い、自由度のある大学が東京大学だった


今は学び直しが推奨されている時代ですが、結局はやる気と行動力がなければやれるものではない。学び直しをしても理解を得られるばかりとは限らないし、今や様々な芸能人が学び直しとして大学受験をするのは珍しくなくなっていますが、売名行為として疑う人も出てくるのも事実。そのため、佐々木さんは卒業を機に公表しても絶賛と懐疑は常に付きまとっています。


米国や欧州では学び直しは決して珍しくないものでも日本ではまだまだ奇異に見られる現実。そうした実感は佐々木さんも東大の恩師との対談でもきっちり言及しています。


学ぶことにこそ本質がある


それは俺の大学進学も同じでしたが、現実は職業訓練校的な側面は強く、ある程度の大学でないと就職出来ない職業や役職も当然ある。


ただ、純粋に学びたいという気持ちで大学に通う事は悪いことなのか?と言われるとそうは思わない。大学で心理学を学んだことで人間の行動への理解は通う前よりは深まっていたし、大学時代ではピンとこなかった依存の話題も自分が当事者になれば理解度は高くなった。


知識が役に立つか立たないかは人によって千差万別だし、それが全て仕事に結びつくかなんてその人の人生次第だ。


だからこそ学ぶことには意義がある。資格とか就職のために大学に行くのではなく、学ぶために大学に行く。それは確かに日本ではまだまだ珍しい。でも、キャリアが20年を超えた声優が東大に行って学び卒業したという事実そのものは意義があると個人的には思う。私的な領分で通っていたと言っているので、本来の学び直しってこういうことだよなと思うので。