条件を満たすセルや行に塗りつぶしなどの書式を設定する「条件付き書式」はとても便利な機能で多く使われています。
一方で、設定した書式をクリアするには [ホーム]-[スタイル]-[条件付き書式]-[ルールのクリア]というようにメニューを辿ってしなければならず、また、同じような条件を設定したいときには改めてルールを設定し直すという面倒な操作を強いられます。
これに対し、条件付き書式を施す ONボタンと、そのルールをクリアする OFFボタンとを設置し、素早く切り替えられるようにすると便利そうですね。
下図のような表データについて条件付き書式を設定してみます。
表中「合計」列のセルには「上期」の数値と「下期」の数値の合計を求める数式が入っています。
「上期評価」列のセルには「上期」の数値が 1,000以上なら「A」、800以上なら「B」、それ以外なら「C」とする数式が入っています。
同様に、「下期評価」列のセルには「下期」の数値が 1,000以上なら「A」、800以上なら「B」、それ以外なら「C」とする数式が入っています。
一例として、「上期評価」も「下期評価」も「A」である行を塗りつぶしてみます。
項目行を除く表データ全体を選択し、[ホーム]-[スタイル]-[条件付き書式]-[新しいルール]をクリックして「新しい書式ルール」ダイアログを出します。
ダイアログの上段で「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選択し、下段の数式欄に
=AND($E3="A",$F3="A")
と入力、右下の「書式」ボタンを押して適当な塗りつぶしの色を設定します。(下図)
「OK」ボタンを押すと、下図のように条件を満たす行が塗りつぶされて分かりやすくなります。
それでは、このルールを ON/OFF するボタンを作ります。
[開発]-[コントロール]-[挿入]-[フォームコントロール]から「オプションボタン」を選択し、ボタンを設置する適当なセル、ここでは H2セルに配置します。
当初「オプション 1」などと表記される名前を変更するため、右クリックし [テキストの編集]を選択し「OFF」とします。
続いて、ボタンを右クリックし [コントロールの書式設定]をクリックし「コントロールの書式設定」ダイアログを出します。(下図)
「リンクするセル」に、空いている適当なセル、ここでは「$H$1」セルを設定し「OK」ボタンを押します。
「OFF」ボタンが出来たら、それをコピペしてその下あたりに配置します。
コピーしたボタンについても先ほどと同様に [テキストの編集]で「ON」にします。
これで、「OFF」ボタンを押すと H1セルの値が「1」に、「ON」ボタンを押すと「2」に替わります。(下図)
次に、このボタンに応じて、先ほど設定した条件付き書式を有効/無効にするよう編集していきます。
[ホーム]-[スタイル]-[条件付き書式]-[ルールの管理]をクリックして「条件付き書式ルールの管理」ダイアログを表示します。
最上段にある「書式ルールの表示」で「このワークシート」を選択します。(下図)
先ほど設定したルールが表示されています。
これを、「ルールの複製」を押して複製します。
2行になった 1行めのルールを選択し「ルールの編集」を押します。
「書式ルールの編集」ダイアログで数式欄を「=$H$1=1」と書き換え、「書式」ボタンを押して塗りつぶしなしとします。(下図)
「OK」ボタンを押して「条件付き書式ルールの管理」ダイアログに戻ります。
1つめのルールの右端にある「条件を満たす場合は停止」にチェックを入れて「OK」を押します。(下図)
これで出来上がりです。
「OFF」ボタンをクリックすると塗りつぶしの色が消え、「ON」ボタンを押すと条件を満たす行のみ塗りつぶされます。
この例では、「OFF」「ON」ボタンの二者択一ですが、さらに条件を増やすことも出来ます。
例えば「OFF」ボタン、「両方A」ボタン、「両方C」ボタンを用意し、それらを押すと H1セルの値が 1、2、3と替わるようにして、条件付き書式ルールを下図のようにすれば複数のルールを切り替えることができます。