前回「PowerPoint ずっと横スクロールする背景画像(1)」記事の続編です。
その記事でご紹介した方法でやりたいことはほぼ実現できるのですが、他にもないかとネット検索してみますとそのヒントがあり、今回はその方法をご紹介します。

まず、PowerPointを新規作成し、タイトルスライドのレイアウトを「白紙」にします。
そして、ズームスライダを 30~40%くらいにします。
最初は説明を容易にするため、背景画像として画面いっぱいの四角形としてみます。
[挿入]-[図形]から「正方形/長方形」を選択し、スライド画面と同じ大きさで四角形を描きます。
さらに、この四角形を 2枚複製します。
説明の都合上、1枚めの四角形を青、2枚めをオレンジ、3枚めを緑色に塗りつぶしておきます。
2枚めの四角形をドラッグして 1枚めの右側にぴったり隣り合うように配置し、3枚めも 1枚めの右側にぴったり隣り合うように配置します。(下図)

 

上図は 3枚めが移動途中ですが、最終的に 2枚めに重なるように配置します。

それでは、アニメーションを設定していきます。
1枚めの四角形を選択し、[アニメーション]-[直線]を適用します。
デフォルトでは「直線(下へ)」となっていますので、「効果のオプション」で「直線(左へ)」に変更します。
すると、画面内に矢印つきの破線が現れます。
左側の赤い三角が移動終わりの位置を示していますので、この赤い三角をクリックして赤い丸印になったら左方にドラッグし、薄い青の四角形が元の 1枚めの左側にぴったり隣り合う位置まで持って行きます。(下図)

 

[プレビュー]ボタンを押すと、最初はスライド画面全面が青ですが、スゥーッと左方にスライドして最後は何もない状態になって終わります。

前回も行いましたが、このアニメーションの開始時と終了時が滑らかになっていますので、これをいつも同じスピードで移動するようにします。
[アニメーション]グループの右下「効果のその他のオプションを表示」をクリックすると「直線(左へ)」ダイアログが現れます。
その「効果」タブの「滑らかに開始」「滑らかに終了」項がデフォルトでは「1秒」となっていますが、これらを共に「0秒」にして、改めてスライドショーで動作を確認してください。(下図)

 

次に、3枚めの四角形に同じアニメーションを適用します。
1枚めを選択し、[アニメーション]-[アニメーションの詳細設定]-[アニメーションのコピー/貼り付け]をクリック、3枚めの上でクリックします。
これで、1枚めのアニメーションと同じものが 3枚めに適用されました。
ただ、このままでは 3枚めはスライド画面の右端から入って来てスライド画面にぴったり収まる位置で止まってしまいます。
これを、スライド画面の左側にまで移動させるため、先ほどと同様に赤い三角をクリックし、赤い丸印になったら左方にドラッグし、薄い緑の四角形が元の 1枚めの左側にぴったり隣り合う位置まで持って行きます。(下図)

 

次に、残る 2枚めの四角形にアニメーションを適用します。
ただ、3枚めに隠れているので、[図形の書式]-[配置]-[オブジェクトの選択と表示]ボタンを押し、右側に現れた「選択」ダイアログを使って操作します。(下図)

 

先ほどと同様に、3枚めのアニメーションを 隠れている 2枚めにコピーします。
3枚めを選択し、[アニメーションのコピー/貼り付け]をクリック、「選択」ダイアログで選択されている 3枚めの目アイコンをクリックして非表示にし、編集画面上の 2枚めをクリックします。
アニメーションの貼り付けができたら、「選択」ダイアログで 3枚めの目アイコンをクリックして表示するように戻し下さい。

さて、今度はこれらのアニメーションのタイミングを設定します。
1つの四角形が横スライドする時間を例えば 5秒としてみます。
2、3枚めの四角形は 1枚めの倍の時間を要しますので、1枚めはその半分ということになります。
1枚めの四角形を選択し、[アニメーション]-[タイミング]-[継続時間]を 2.5秒とします。
3枚めは開始のタイミングを「直前の動作と同時」とし、[継続時間]は 5秒とします。
2枚めも「直前の動作と同時」、[継続時間]は 5秒とし、さらに「遅延」を 2.5秒とします。
ここまでの設定を [アニメーションの詳細設定]-[アニメーションウィンドウ]で確認してみると下図のようになっています。

 

いよいよ最後の設定です。
上記のままですと 3枚の四角形が左方にスライドして終了してしまいますので、これを繰り返して動作するようにします。
1枚めは最初の動作だけで良いので、2、3枚めについてのみ設定します。
先ほどの「選択」ダイアログで 3枚めを選択し、[Ctrl]キーを押しながら 2枚めも選択します。
「アニメーション」グループの右下「効果のその他のオプションを表示」をクリックすると「直線(左へ)」ダイアログが現れます。
その「タイミング」タブを開き、「繰り返し」を「スライドの最後まで」として「OK」します。(下図)

 

スライドショーで動作を確認しましょう。

写真などを使ってアニメーションさせるときは、1枚めと 2枚めの繋がりが不連続になるので、前回もやったように 2枚めを左右反転してみるとある程度は誤魔化せると思いますが、写真の左右で大きく異なるものですとこのアニメーションには不向きとなります。