ここ何回か音楽CDからリッピングする方法を述べてきました。
その記事中に「FLAC」という保存形式が出てきましたが、あまり細かな説明もしないまま使用してきました。
今回は、改めて「FLAC」についてご紹介します。

現在、多く使われている音楽ファイル形式には以下のものがあります:

 

ファイル形式 拡張子 特長
WAVE .wave
.wav
・Microsoftが開発したWindows用の音声ファイル形式
・非圧縮ファイルのため、データサイズは重い大きい
・CDとほぼ同じ音質
・ジャケット写真や歌詞などは付けられない
AIFF .aiff
.aif
・Appleが開発したMac用の音声ファイル形式
・標準は非圧縮だが、AIFF-Cという圧縮形式もある
MP3 .mp3 ・圧縮後のデータサイズは、原音の約10分の1
・CDとほぼ同じ音質
・ジャケット写真や歌詞は付けられる
AAC .aac
.mp4
・圧縮後のデータサイズは、原音の約10分の1
・MP3の後継にあたる非可逆圧縮のファイル形式
・MP3と同じデータサイズなら、音質は良い。
FLAC .flac ・変換後も元に戻せる可逆圧縮のファイル形式
・データサイズは原音の約半分
・ハイレゾ(高解像度)音源の1つで高音質
・ジャケット写真や歌詞も付けられる


音楽CDのオーディオ信号は、通常、2チャンネルの非圧縮ステレオオーディオで、サンプルサイズは16ビット、44.1キロヘルツのサンプリングレートで記録されています。
これを WAVE または AIFFファイル形式で PCに取り込むと、楽曲の 1分の長さでおよそ 10MB以上のファイルサイズを要します。
ウォークマンに代表されるポータブルな音楽再生機は、そのメモリ容量も限られていたので、“必然的に”MP3や AACなどの非可逆圧縮のファイル形式が開発されました。
上記のように、MP3や AACは原音の10分の1程度まで圧縮しますので、大量の楽曲を持ち歩き、いつでもどこでも気軽に音楽を聴くというスタイルが定着しました。

その後、機器のメモリ容量もどんどん拡大されてくると、音楽愛好家は「CD品質のオーディオ」を求め、再び WAVE または AIFFファイル形式で取り込むことを検討します。
でも、上記のように非圧縮のままでは保存容量が大きくなりますので、可逆圧縮、つまり圧縮してファイルサイズは小さくして、再生時には元の原音に戻せるファイル形式が求められました。
その可逆圧縮ファイル形式(ロスレス圧縮)の代表的なものに FLAC

(Free Lossless Audio Codec)、ALAC(Apple Lossless Audio Codec)があります。


FLACは、圧縮率が可変式であるため、圧縮率を調整することができます。
圧縮率を高くすれば、ファイルサイズを小さくできますが、エンコードやデコードに時間がかかります。
また、オープンソースのコーデックであるため、誰でも自由に利用することができます。
ロイヤリティフリーであるため、商用利用にも適しています。

試しに、Mariah CarryのCDから「Without You」という楽曲を、foobar2000アプリを使って WAVE、FLAC、MP3形式で取り込んでみました。
ファイルサイズは、次のようになりました:

  • WAVE 36.3 MB
  • FLAC 24.5 MB
  • MP3 4.97 MB


FLACの圧縮率が半分にもなっていませんが、もっと圧縮率を高めることも可能です。
ただ、あまり圧縮率を高めるとエンコードやデコードに時間がかかるようになります。
また、楽曲によって圧縮率に差が出ます。
つまり、圧縮しやすい楽曲と圧縮しにくい楽曲とがあります。

FLACを再生するソフトとしては、foobar2000や VLC media playerなどがあります。
また、Windows標準の「メディアプレーヤー」も対応し、さらに他にもサードパーティのアプリもあります。

MP3が開発された頃と違って、今や PCの保存容量も桁違いに大きくなり、また楽曲を持ち歩く機器もスマホが主流となった現在、FLACで保存するというのもアリだと思います。