Excelには 500を超えるたくさんの関数が提供されていますが、値に応じてセルの背景色(塗りつぶしの色)を設定する関数はありません。
(VBAでは「.Interior.ColorIndex」「.Interior.Color」でセルの色を指定できます。)

やはり、セルの背景色を設定するには「条件付き書式」機能に頼るしかありません。
条件付き書式については、これまでにも「Excel 条件付き書式(1)」記事をはじめとして使い方などをご紹介してきました。

一例として「Excel 等高線グラフを作る」記事で使用した表データに基づいて、条件付き書式によりセルの背景色を設定して表示してみます。
この表データは数式「f(x,y)=x^2-axy-by^2」から求めたものです。

表データの値に応じてセルの背景色を変えるなら、データセル範囲 C6~W26 を選択し [ホーム]-[スタイル]-[条件付き書式]-[カラースケール]から適当なスケールを選択します。
下図は「赤、白、青のカラースケール」を選択したところです。

 

正値の領域が赤で、負値の領域が青で、その絶対値に応じて色の濃さが変化しています。

この方法はとても簡単に色分けできて便利ですが、最大値と最小値との間を按分し色のグラデーションで塗り分けているだけなので、より細かく設定することができません。
もう少し細かく設定する方法も用意されています。
同じく [条件付き書式]-[カラースケール]-[その他のルール]を選択し、「新しい書式ルール」ダイアログで下図のように設定すると、ほぼ同じように色分けされます。

 

色の変更も自由ですし、最大値/最小値とせずそれぞれ数値などで設定することもできます。

次に、表データが 0以上、正値の領域だけ色のグラデーションで塗り分けてみます。
同じく「新しい書式ルール」ダイアログで下図のように設定します。

 

このとき、表データは下図のように塗り分けられます。

 

これをもう一歩進めて、特定の値の範囲に特定の色を適用するようにしてみます。
正値の範囲を 0~20、20~40、‥‥、100~120、120以上 というように 20区切りの範囲に分けてそれぞれに色を適用します。
条件付き書式ルールで表わすと、下図のようになります。

 

それぞれのルールは、下図のようになります。

 

こうして、表データは下図のように塗り分けられます。

 

これを応用すると、特定の値近傍の範囲、例えば ±5以内の領域だけ塗りつぶすこともできます。
上図の書式ルールで値だけ方法してもよいし、[条件付き書式]-[セルの強調表示ルール]-[指定の範囲内]を選択して下図のように単純に閾値を設定してもよいです。

 

こうすると、0近傍の領域に色が付きます。(下図)

 

上記「Excel 等高線グラフを作る」記事で扱った「等高線グラフ」においても色分けやグラデーションの設定はさほど自由度がなく、意図した書式設定をしたければ「条件付き書式」を使わざるを得ません。
そして、「条件付き書式」のメニューにはさまざまなものが用意されていますが、より意図した設定をするなら、「書式ルールの編集」ダイアログを使うことになります。
目的に応じてルールを設定できるよう練習してみてください。