Excelでは、セルやセル範囲に名前を付け、その名前で参照することができます。
このように名前付けすると、後で数式を見たとき、例えば「$A$5:$D$10」とするところを「商品台帳」と表示することができ、数式の意味がより分かりやすくなります。

この名前付けについては、「Excel 名前の定義(1)」記事や「Excel 名前の定義(2)」記事などでご紹介しました。

Googleスプレッドシートには、「名前付き関数」という機能があり、「Googleスプレッドシート 名前付き関数」記事でご紹介しました。

Excelでも、数式にも名前を付けられると便利ですね。
実は、セルやセル範囲に名前を付ける方法と同じく、数式にも上記名前の定義が適用できるのです。
やり方も大きく変わりません。

簡単な例ですが、下図の表データで試してみましょう。

 

セル範囲 A2~E10には予め「会員リスト」と名前付けしておきました。
G2セルに「1001」と入力し、H2セルには「=VLOOKUP(G2,会員リスト,2,FALSE)」と入力しています。
VLOOKUP関数を使って、検索キーとして G2セルを指定していますので、H2セルには「吉永 はじめ」と表示されています。

それでは、この H2セルの数式に名前付けしてみます。

[数式]-[定義された名前]-[名前の定義]-[名前の定義]をクリックし「新しい名前」ダイアログを出します。(下図)

 

「名前」欄にこの数式に付ける分かりやすい名前を入力し、「参照範囲」にはこの数式を「=VLOOKUP($G$2,会員リスト,2,FALSE)」と入力し「OK」します。

改めて、H2セルに「=会員名」と入力してみると、先ほどと同様に「吉永 はじめ」と表示されます。

このように数式に名前付けも簡単にできてしまいます。

欠点としては、単に「=会員名」と数式バーに表示されても、どんな関数を使い、どんな数式が入っているのか分からないのです。

また、通常の関数のように引数などを受け渡したいときにはあまり有効ではありません。
この点については Googleスプレッドシートの「名前付き関数」のほうが使いやすいと感じます。
このような場合には、「LAMBDA」関数や「LET」関数を使ってみるのが適切で、いずれ機会をみてご紹介しようと思います。