Word文書や PowerPointスライドを作成し、それを別の PC環境で開くとき、作成したときのレイアウトが崩れてしまうことがあります。
作成した文書を社内外の知人に送付したときや、プレゼンのように別の PCで開かなくてはならないときなど、けっこうあるものです。

レイアウトが崩れる主な原因は、Officeアプリのバージョンの違いと、作成時に使用したフォントが別の PCにはインストールされていないことが考えられます。
今回の話題は、後者に対応する方法となります。

Wordや PowerPointで文書を作成したときに使用したフォントが、別の PCにインストールされていないときには自動的に別のフォント(代替フォント)に置き換えて表示されます。
代替フォントが使われると文字の字形、フォントの寸法パラメータなどが変わり、テキスト配置も変わってしまいます。

これらの Office文書にフォントを埋め込むことができます。
Wordでは [ファイル]-[オプション]-[保存]で「次の文書を共有するときに再現性を保つ」項にある「ファイルにフォントを埋め込む」にチェックを入れます。(下図)

 

既定ではこのオプションは無効になっていますが、これを有効にすることで使用しているフォントが文書に埋め込まれます。
これを有効にすると、その下の 2つのサブ項目も適宜選択できます。

PowerPointでは少し違いますが同様です。(下図)

 

なお、文書を [ファイル]-[名前を付けて保存]するときに現れる「名前を付けて保存」ダイアログの最下段の「ツール」から「保存オプション」をクリックしても、上図のオプション画面が開けます。

ここで、注意すべき 2点あります。
まず、フォントを埋め込むわけですから、そのファイルサイズは大きくなります。
オプションの「使用されている文字だけを埋め込む」とすれば、ファイルサイズは少しだけ大きくなるだけです。
でも、ファイルを受け取った相手が文書を編集しようとしても、その文字以外のフォントデータがありませんので、編集した部分については代替フォントを使うことになります。

もうひとつ、すべてのフォントを埋め込みできるわけではありません。
[コントロールパネル]-[デスクトップのカスタマイズ]-[フォント]を開くと、この PCにインストールされているフォントが一覧表示されます。
フォントを 1つ選択すると、下部にそのフォントの埋め込みのレベルを確認することができます。(下図)

 

この [コントロールパネル]画面の下部表示では詳細まで表示されないものもあります。
そのときは、1つのフォントを右クリックし「プロパティ」を選択し「詳細」タブで「フォント埋め込み可能」項をご覧ください。(下図)

 

Microsoftのサポートページ「カスタムフォントを埋め込む利点」によれば、

> フォント作成者は、埋め込み不可、プレビュー/印刷、編集可能、インストール可能など、フォントのさまざまなオプションを設定できます
 

とのことです。
換言すれば、「埋め込み不可」となっているフォントは、文字通り埋め込みができません。

いかがでしょうか。
はじめにお話したような、社内外の知人に文書を送付、あるいは別のPCを使ってプレゼンするときだけでなく、例えば Word文書を印刷会社に渡すときなどでもフォントを埋め込んでおきましょう。