Wordで比較的長い文書を作成していて、同じ書式の場所をまとめて探したい、そしてまとめて変更したいというときがあります。
短い文書であれば、目視で探し、1つ 1つ修正していってもよいのですが、何ページかあるときは探し漏れも起きやすくなります。
そんなとき使える機能が、[ホーム]-[編集]-[選択]-[類似した書式の文字列を選択] です。(下図)

 

試しに、下図のようなダミーの文書を使ってみます。

 

4つ見える見出し部分は、先頭に太めの罫線を入れ、文字フォントを「メイリオ」、フォントサイズを 12 pt とし、このスタイルを「スタイル1」としました。
上図の文書では「スタイル1」とした段落が 4つあるわけです。

それではいずれかの見出し中に文字カーソルを入れ、[類似した書式の文字列を選択]をクリックしてみます。
4つの見出しすべてが選択されました。

 

それでは、2番目の見出しのみ太字とし、それ以外の見出し中に文字カーソルを入れ、[類似した書式の文字列を選択]をクリックしてみます。
このときも、2番目の見出しも含め 4つの見出しすべてが選択されました。

次に、太字とした 2番目の見出し中に文字カーソルを入れ、[類似した書式の文字列を選択]をクリックしてみます。
このときは、2番目の見出しだけが選択されました。

この動作を確かめるため、2番目の見出しを「スタイル1」に戻し、2番目・3番目の見出しの文字フォントを 14 pt にしました。
つまり、1番目・4番目の見出しは「スタイル1」のまま、2番目・3番目の見出しはさらに文字フォントを 14 pt としました。
1番目または 4番目の見出し中に文字カーソルを入れ、[類似した書式の文字列を選択]をクリックしてみると、4つの見出しすべてが選択されました。
2番目または 3番目の見出し中に文字カーソルを入れ、[類似した書式の文字列を選択]をクリックしてみると、2番目・3番目の見出しが選択されました。

どうやら、この動作が「同じ書式の‥‥」ではなく「類似した書式の‥‥」という機能名の所以のようです。
そして、最初に設定した「スタイル1」をベースに、2番目・3番目の見出しを 14 pt にしましたので、1番目・4番目の見出しから見て 2番目・3番目の見出しは“類似した書式”と認識されます。
ところが、2番目・3番目の見出しから見て 1番目・4番目の見出しは低いレベルの書式なので“類似しない書式”と認識されます。

このあたりの解釈が混乱しやすいのですが、基本は同じスタイルの文字列を選択してくれる機能です。
ただし、そのスタイルにさらに別の書式を加えたものは“類似した書式”とみなされ、あす。

それでは、次に文章中の 2ヶ所を箇条書きとしてみました。(下図)

 

この段落を選択し、スタイルを確認すると「リスト段落」となっています。
それでは、このいずれかの箇条書き内に文字カーソルを入れ、[類似した書式の文字列を選択]をクリックしてみると、2ヶ所を箇条書きが両方とも選択されました。(下図)

 

こうして、同じ、または類似した書式をスタイルとして設定した文字列や段落をまとめて選択できるので、選択されたものをまとめて書式を修正することも容易にできるようになります。