Excelの表データをグラフ化するとデータの傾向などが視認しやすくなり、とても便利に使っています。
ある表データについて、例えば「縦棒グラフ」を作成し、その後に他の種類のグラフで作り直すとき [グラフのデザイン]-[種類]-[グラフの種類の変更]をクリックし、お好みのグラフ種類を選択すると簡単に変更できます。(下図)
データの特徴や傾向をより分かりやすく表示できるグラフの種類を、簡単に切り替えられる便利な機能です。
ところで、このグラフ種類の中で「ヒストグラム」グラフは扱いが少し違います。
過去に「ヒストグラム」の作り方について、「Excel ヒストグラムの作成(1)」記事、「Excel ヒストグラムの作成(2)」記事、「Excel ピボットテーブルでヒストグラムを作る」記事でご紹介してきました。
まとめると、Excelで度数分布表を作ったり、それを棒グラフ状にグラフ化したヒストグラムを作成する方法としては、以下のような方法があります:
- 関数 COUNTIF() を利用する
- 関数 FREQUENCY() を利用する
- ピボットテーブルを利用する
- 分析ツールを利用する
- グラフ機能を利用する
度数分析では、データをいくつかの区間に分け、それぞれの区間に属するデータの個数を数えるということをします。
上記の方法は慣れてしまえばいずれもさほど難しいものではありませんが、一番簡単なのは最後のグラフ機能を利用する方法でしょう。
あるデータについて「ヒストグラム」グラフを作ることは難しくないと思います。(下図)
ここで、1つの問題が出てきます。
「ヒストグラム」グラフ自体はこのように容易に作れるのですが、これを棒グラフ状とするのではなく、例えば円グラフのように他のグラフ種類に変換できないのです。
正確には、これを上記 [グラフの種類の変更]機能を使って円グラフに変換することはできますが、区間データではなく個々のデータについて作成されてしまいます。(下図)
やはり、度数分布データで円グラフを作るには、一旦その他の方法で度数分布表を作り、改めてそこから円グラフを作るしかなさそうです。
ここでは、これまでの記事でご紹介していなかった COUNTIF関数による方法を使ってみます。
今回は、先のデータについて 100点から 10点刻みの度数分布を作成します。
F列に「100」から「0」まで 10点刻みの数列を作っておきます。
G2セルには「=COUNTIF(D:D,">="&F2)」とすればよいですね。
G3セルには「=COUNTIF(D:D,">="&F3)-SUM($G$2:G2)」として、90点以上のデータ個数からそのセルより上のデータ個数値を差し引きます。
以下、G12セルまでコピーします。(下図)
これで度数分布表ができました。
作図の都合で、F2~F12セルの表示形式を「0"点以上"」とし、G2~G8セルのデータで円グラフを作成します。(下図)
G9~G12セルを除外したのは、その値が 0 であったためで、大意はありません。
いかがでしょうか。
棒グラフ状のヒストグラムでも区間ごとのデータ分布を読むことはできますが、それを円グラフとすることで、各区間のデータが全体の何パーセントを占めるかという割合を表わすのに適しています。