今や「クラウドコンピューティング」の時代と言われて久しいですが、歴史を紐解いてみると、ローカルPCで処理やデータ保存していた時代とリモートPCにデータを置き計算処理も行わせていた時代とが交互にやってきました。
その時々でこれらのスタイルの呼称は変わってきました。

現在の環境の特徴は、所謂“PC”と呼ばれるデバイスのほかスマホやタブレットなどのモバイルデバイスがより多く使われるようになり、それらの間でデータを同期・共用することが重要になっています。

今回は、表題のとおりストレージ機能に絞って主要なクラウドサービスについて見てみます。

「オンラインストレージ」とか「クラウドストレージ」とか呼ばれるこれらのサービスは、インターネット上でデータの保管や共有などを行えるストレージです。
そのほとんどは登録制を採用し、アカウント登録を済ませて使い始めます。
多くは無料で利用できますが、保存できるデータの最大容量に応じて有料コースも用意されています。

一般に言われている「オンラインストレージ」のメリットは、

  • ローカルデバイスの記憶容量を圧迫しない
  • 複数デバイスから同時アクセスが可能
  • ローカルデバイスが壊れてもデータは無事

‥‥などと言われ、一方でデメリットとしては

  • ネット接続環境がないと使用できない
  • アカウントの管理が必要

‥‥などがあげられます。

以下に、代表的なオンラインストレージ 4つ(Google Drive、iCloud Drive、OneDrive、Dropbox)を比較しながら見ていきますが、他にも特徴あるサービスがたくさんあります。
ネット検索すればいろいろ出てきますので、ご自身の使い方に応じて選んでみてください。

(1) 保存容量
 

Google Drive

プラン 容量 月額 年額
無料 15GB 0円 0円
ベーシック 100GB 250円 2,500円
スタンダード 200GB 380円 3,800円
プレミアム 2TB 1,300円 13,000円

iCloud Drive

プラン 容量 月額
iCloud 5GB 0円
iCloud+ 50GB 50GB 130円
iCloud+ 200GB 200GB 400円
iCloud+ 2TB 2TB 1,300円

OneDrive

プラン 容量 月額 年額
無料 5GB 0円 0円
Microsoft 365 Basic 100GB - 2,440円
Microsoft 365 Personal 1TB 1,490円 14,900円
Microsoft 365 Family 1TB 2,100円 21,000円

Dropbox

プラン 容量 月額 年額
Basic 2GB 0円 0円
Plus 2TB 1,200円 14,400円
Family 2TB 2,000円 24,000円
Professional 3TB 2,000円 24,000円
Business 5TB 1,500円 18,000円

(2) 同期型? 非同期型?

これら 4つのオンラインストレージは、いずれも同期型でも非同期型でも利用できます。
同期型は、作業と同時にバックアップを取りたい利用形態で、非同期型は、データのアップロード・保管を目的とする利用形態です。

 

(3) ファイル形式
 

保存するだけなら、どのオンラインストレージもファイル形式を選びませんが、オンラインで編集やプレビューできるものに違いがあります。
以下のファイル形式については、4つのオンラインストレージで編集やプレビューができます:

  • 写真(jpegなど)
  • 動画(mp4など)
  • オフィス文書(docx、xlsxなど)
  • 文書(pdf)

(4) PC・スマホなどとの相性

Macや iPhone/iPadなど Apple製品をお使いなら「iCloud Drive」がお薦めです。
Windows PCで Microsoft Officeの文書などを利用するなら「OneDrive」が相性よく使えます。
Androidスマホやタブレットなどお使いの方は「Google Drive」がお薦めです。

元々、上記の無料プランは自社製品を購入した顧客を囲い込む目的で用意されていますので、機種変更や追加購入するときでも同じメーカーの製品を購入してもらうよう誘導しています。
でも、多くの人は Windows PCと iPhoneまたは Androidスマホの両方を持ち、写真も撮り Office文書も作成するという使い方をなさいます。
そのときにオンラインストレージを 1つだけ使う利用形態は(理屈では可能ですが)現実的な選択ではありません。
したがって、現在のオンラインストレージとの付き合いは、上記のうち複数のサービスを使い分ける利用形態になります。

一般の利用者からすれば、複数のオンラインストレージがあっても保存場所などあまり意識せずにシームレスに利用できるとよいのでしょうが、それぞれの提供企業の思惑もあり、現時点ではファイルの種類・内容などに応じて使い分けていくことになります。