過去に「PowerPoint プレゼンをエクスポート」記事でご紹介した「エクスポート」機能は、PowerPointスライドを他の形式に変換して出力する機能をまとめたものでした。
その中のひとつ「プレゼンテーションパック」について、その記事でも概要は触れていますが、今回はもう少し詳しくご紹介していきます。

エクスポート機能の中で古くから利用されている「PDF/XPSドキュメントの作成」は、スライドを PDFファイル形式で保存するものです。
配布用・印刷用文書として保存するほか、プレゼン会場で PowerPointが使えないなどのトラブルに緊急対応するための保険として用意する方もいらっしゃいます。
でも、PDF文書とすると、PowerPoint特有の画面切り替えやアニメーションといった動きを伴う画面表示や BGMやビデオなども再生できません。
そんなとき、「プレゼンテーションパック」を作成しておくと、会場のPCが動作していれば、そのようなトラブルを回避してプレゼンできます。

要は「プレゼンテーションパック」を CD-Rや USBメモリなどに保存しておけば、スライドの中で使われているリンクされた動画ファイルや音楽ファイルなどもコピーされ、さらに使用したフォントや再生専用 PowerPointアプリも一緒に保存されるので、これひとつあればプレゼンできるというわけです。

それでは「プレゼンテーションパック」を作ってみましょう。
上記したように、プレゼンテーションパックを CD-Rや USBメモリに保存できますが、今回は一旦デスクトップ上に保存し、それを USBメモリにコピーしようと思います。
お薦めは USBメモリです。
最近は CD/DVDドライブのないPCも増えましたが、USBポートのないPCはまずないと考えられます。

作成したスライドを開いて、[ファイル]-[エクスポート]を開き、「プレゼンテーションパック」をクリックします。(下図)

 

画面右側にも

  • リンクされているアイテムと埋め込みアイテム(ビデオ、サウンド、フォントなど)
  • パッケージに追加されたその他のファイル

が含まれると記載されています。
その下の「プレゼンテーションパック」ボタンを押します。
すると、下図のようなダイアログが現れます。

 

「CD名」欄に適当な名前を入力します。
最下部にある「フォルダーにコピー」をクリックします。
「フォルダーにコピー」ダイアログが現れますので、その「場所」欄にプレゼンテーションパックを保存する場所を設定します。(下図)

 

「OK」を押すと、「リンクされているファイルをパックに含めますか?」という確認メッセージが表示されますので「はい」をクリックします。
このスライドで使用しているファイルなどを収集してプレゼンテーションパックが作られ、完了すると、そのフォルダが開かれます。(下図)

 

出来上がったプレゼンテーションパックを、USBメモリにフォルダごとコピーして完成です。
(上記「場所」欄に USBメモリ内の適当な場所を指定して直接作成してもよいです。)

会場PCに PowerPointがインストールされていなくても、上記フォルダ内のパワポファイルを開けば、読み取り専用の PowerPointでこのスライドが表示されます。
(インストール済みのPCでは、その PowerPointで表示されます。)

なお、上から2番めの図「プレゼンテーションパック」ダイアログで、右側にある「オプション」ボタンを押すと「オプション」ダイアログが表示されます。(下図)

 

デフォルトでは、「リンクされたファイル」「埋め込まれたTrueTypeフォント」にチェックが入っています。
これらはそのままで良いでしょう。
その下にパスワード設定欄があります。
このプレゼンテーションパックを他人が開けないようにしたり、編集などできないようにするのであればパスワードを設定します。

Microsoftのサポートページ「プレゼンテーションを CD または USB フラッシュドライブ用にパッケージ化する」も合わせてご参照ください。