ネット記事を参照していると、「PowerShellを開いて次のようにコマンドを実行して‥‥」という記述を目にすることがあります。
「PowerShell」(パワーシェル)って何でしょう?

「Shell(シェル)」はユーザーとコンピュータのOSを繋ぐ役割を担うプログラムのひとつです。
人間にとって分かりやすい名称のコマンド(命令)を入力すると、それを Shellが解釈して OSが理解できる形式に変換して指示します。
多くの場合、文字ベースでのやり取りをする CUI (Character User Interface)で形成され、私らが日常的に使う Windowsや Macのように文字だけでなくアイコンや画像なども使って情報のやり取りをする方式は GUI (Graphical User Interface)と呼ばれます。

「PowerShell」は Windows 7以降、標準搭載されているシェルプログラムです。
(近年「PowerShell Core」という名称で Windows以外の OSでも提供されていますが、この記事では Windows用の PowerShellについてのみお話します。)

Windows 11では [スタート]-[すべてのアプリ]-[Windowsツール]を開くと「Windows PowerShell」が見つかります。(下図)

 

あるいは、[スタート]アイコンを右クリックして「ターミナル」をクリックすれば、既定では「Windows PowerShell」が開きます。(下図)

 

昔から PCを操作してきた人にとっては今でもある「コマンドプロンプト」を使って操作が馴染みやすいと思いますが、PowerShellではコマンドプロンプトのコマンドも解釈され利用できます。
さらに、PowerShellでは「コマンドレット」と呼ばれるコマンド群が用意されており、これらを単独または組み合わせて多彩な操作をさせたり自動化することもできます。

コマンドレットは、次のようにタイプすると一覧表示されます:
  Get-Command -CommandType Cmdlet | Select-Object Name 
(下図)

 

基本的に「動詞 + 名詞」の形式の名称になっているので、おおよその働きは分かりやすくなっています。

また、一般のシェルでは、文字列で指示を行い、文字列でその結果を受け取ります。
そのため、パイプを使ってコマンドを連携させるときも、文字列の受け渡しで行っていきます。
一方、PowerShellではデータのやり取りをオブジェクトで行います。
つまり、データに関する「状態」と「機能」をまとめた情報でやり取りできます。
このことは(ここでは詳説しませんが)Pythonや JavaScriptなどの高級言語の文法に近い書き方でスクリプトを組むことにも通じます。
オブジェクト指向の考え方を取り入れています。

これらの特徴から、PC上の操作の多くを簡単なコマンドを活用して出来、また、それが繰り返し行われる定型作業であれば自動化スクリプトを組んで作業の効率化が図れます。

あるいは、Excelや Wordなど Microsoft Office製品を PowerShellで操作することもできます。
Excelで自動化というと「VBA」を思い浮かべると思いますが、PowerShellでも Excelの操作ができます。

今回の記事だけで PowerShellについて語りつくすことは到底できません。
機会を見てその使い方の例をご紹介してみますが、とりあえず Microsoftのドキュメント「PowerShell とは」をご紹介しておきます。