USBメモリの容量も大きくなり、店頭で探しても 4GB以下のものを探すのが難しくなるほどです。
価格も随分と低くなったことも手伝って、8GB、16GB、あるいはそれ以上の容量の USBメモリを買うことになります。
まぁ、小さいサイズのデータを保存し、大半を未使用のままでも別に構いませんが、以下のことを参考にして「パーティション分割」して使うこともご検討ください。

購入してきた USBメモリは、PCに挿せば 1つのドライブとして認識され使えますね。
これを複数のパーティションに分割すると、仮想的に複数のドライブとして扱うことができます。
別々のドライブとして扱えると、例えば、写真ファイル用、文書保存用、‥‥のようにカテゴリ別に分類してフォルダやファイルを格納できます。
また、後述するように、用途に応じてドライブごとにその「ファイルシステム」を選択してフォーマットすることもできます。

まず、ファイルシステムについてお話しておきます。
ファイルシステムは、ドライブ内の記憶媒体(USBメモリではフォラッシュメモリ)にデータを格納するときに、小容量サイズに区分けし、それぞれを記録した場所を管理領域に記録します。
また、ファイルをフォルダにまとめ、それらを階層的に分類して管理します。

Windowsでは、FAT (File Allocation Table)や NTFS (NT File System)というファイルシステムを採用しており、FATは扱うファイルのサイズが大きくなるとともに機能も拡張され「FAT12」「FAT16」「FAT32」「exFAT」と進化してきました。
現在主に使われているのは、FAT32、NTFS および exFAT です。
(Windows以外のOSでは、HFS+、APFS、XFSなどが採用されていますが、ここでは省略します。)

それらの特徴を列記すると、

  • FAT16:古いシステムで、1つの領域として確保できる容量は最大2047MBまで。Macでも利用可能。
  • FAT32:1つの領域として確保できる容量は最大2TBまで。1ファイルの容量は最大4GB。Macでも利用可能。
  • NTFS:容量制限はなく、1ファイルが4GB以上でも保存できる。Macでは読取りはできるが、書込みができない。
  • exFAT:容量制限はなく、1ファイルが4GB以上でも保存できる。32GB以上の領域を1ボリュームとして設定できる。内蔵ハードディスクには適用できない。Macで利用可能。


つまり、時代と共に扱うファイルサイズが大きくなり、記憶媒体の記憶容量が大きくなると、それらに合わせてファイルシステムも進化してきました。
USBメモリの容量が 2GB以下であれば FAT16でフォーマットすることも可能ですが、現在の USBメモリでは FAT32がデフォルトになっています。
でも、1ファイルが4GB以上である場合は NTFS または exFAT でフォーマットする必要があります。

さて、前振りが長くなってしまいましたが、今回の本題「パーティション分割」に入ります。

手元に 16GBの USBメモリがありましたので、これを 2つのパーティションに分割してみます。
USBメモリを PCに挿し、[スタート]アイコンをマウス右クリックし「ディスクの管理」をクリックします。
「ディスクの管理」画面が表示されます。(下図)

 

現在接続されている USBメモリが画面下部に 1つのパーティションとして表示されています。
これを選択して上図のように斜線が付いて表示されるようにしてください。
(Windows OSを含む内蔵HDDなどは絶対に選択しないでください。)
もし、上図のように表示されていない場合は、メニュー「表示」で「上部」を「ボリュームの一覧」、「下部」を「グラフィック表示」とします。

※ これ以降の作業をすると、USBメモリ内のデータが削除されますので、大事なデータはバックアップを取っておいてください。

USBメモリのファイルシステムが「FAT32」「exFAT」である場合、その斜線領域を右クリックし「ボリュームの削除」を選択します。
下図の警告が出ますが、問題なければ「はい」を押します。

 

USBメモリの領域が「未割り当て」となります。
そこを右クリックし「新しいシンプルボリューム」をクリックすると、「新しいシンプルボリュームウィザード」が現れます。(下図)

 

「次へ」を押すと、ボリュームサイズを指定する画面に変わります。(下図)

 

ここでは、シンプルボリュームサイズを「8000」MBとしてみます。
「次へ」とすると、そのパーティションのフォーマット設定画面が現れます。(下図)

 

ファイルシステムは「FAT32」の他「NTFS」が選択できます。


 

このまま「次へ」とし、次の画面で「完了」とします。

フォーマットが必要とのダイアログが現れますので「ディスクのフォーマット」をクリックしてフォーマットします。

 

「ディスクの管理」画面に戻り、残った「未割り当て」領域についても同様にパーティションの設定をします。


 

今回は、試しに「NTFS」としてみます。
こうして、1つの USBメモリの中に 2つのボリュームが作成されました。(下図)

 

次回には、分割されたパーティションを結合する方法をご紹介します。