Word文書を A4版用紙 1ページに収めたくて、いろいろな工夫をしますが、時に思い通りにならないことがあります。
そのうちのひとつに、行間を狭くしてみる、というのがあります。
文字通り、行間を狭くすれば、より多くの行数が入力できそうですね。

ある段落を選択(文字カーソルを入れるだけでもよろしいです)、[ホーム]-[段落]-[行と段落の間隔]-[行間のオプション]を選択すると「段落」ダイアログの「インデントと行間隔」タブが開きます。
その中の「間隔」項の「行間」のドロップダウンリストを開いてみると、既定の「1行」のほか「1.5行」「2行」「最小値」「固定値」「倍数」という選択肢が出てきます。(下図)

 

このあたりのことは、過去に「Word 行間隔」記事にも記載しましたので、併せてご参照ください。

その選択メニューの「最小値」を選択すれば、必要最小限の行間にしてくれる‥‥と淡い期待をしますが、実際は何も変わりません。
「最小値」を選択すると、その右隣の「間隔」に「12 pt」と出ますが、これを大きくしても小さくしても何も変わりません。

それでは「最小値」の意味は何でしょう?

分かりやすいように、[表示]-[表示]-[グリッド線]をオンにしてグリッド線を表示しておきます。
下図は、同じ文章を作成し、上段は「行間」を既定の「1行」で「1ページの行数を指定時に文字を行グリッド線に合わせる」をオンにして表示し、下段は「最小値」で「1 ページの行数を指定時に文字を行グリッド線に合わせる」をオフにしました。

 

それぞれ、文中にはルビを振り、一部の文字サイズを 16 ptにしました。

ご覧のように、既定の設定ではグリッド線とグリッド線の間に納まる限りはその間に表示されますが、それ以上に行間が必要なときには 2行分の高さを使って表示します。
一方、「最小値」で「1ページの行数を指定時に文字を行グリッド線に合わせる」をオフにすると、グリッド線の縛りはなくなり、それぞれの行で必要最小限の行の高さを使って表示します。
そのため、「最小値」の場合は、それぞれの行間が異なることも出てきます。

なお、既定の「1行」で「1ページの行数を指定時に文字を行グリッド線に合わせる」をオフとすると、ほとんど「最小値」の場合と同じになります。

そうなると、「最小値」の出番はかなり限られます。
上記の例のように、ルビを振ったり、一部の文字サイズが異なる文章で、スッキリと見せたい場合はむしろ「固定値」を選択したほうが行間も揃ってよろしいでしょう。

なお、グリッド線とグリッド線の間隔、つまり 1ページに表示できる行数は、[レイアウト]-[ページ設定]で開いた「ページ設定」ダイアログで、「行数」の数値を変化させて設定します。