先の「PowerPoint スライドショー(2)」記事中で、「発表者ツール」の中に「字幕の切り替え」ボタンがあります、とご紹介しました。
この「字幕」機能は、現在のところ Microsoft 365版または Web版の PowerPointでのみ有効な機能です。
また、「発表者ツール」の中だけでなく、通常のスライドショーの中でも利用できます。

なお、この記事でご紹介する「字幕」機能は、発表者が話している言葉をリアルタイムに画面上に表示することを指します。
一方で、用意したビデオに字幕またはクローズドキャプションを挿入し、プレゼン中にそのビデオを再生する機能も PowerPointにありますが、ここでは省略します。

さっそく使ってみましょう。
PowerPointでスライドを開き、[スライドショー]-[キャプションと字幕]で「常に字幕を使用する」にチェックを入れて有効にします。(下図)

 

「字幕の設定」については後述します。

マイクロホンやヘッドセットなどを接続し、スライドショーを開始します。
内蔵マイクを使用しているときなどに、下図のメッセージが表示されるかもしれません。

 

音声を文字に変換する精度を高めるためのヒントを表示しています。
周囲が騒がしかったりすると音声認識に失敗し誤変換されることがあります。
そのような場合は、マイクが口元付近に来るヘッドセットなどを使用しましょう。
「OK」を押して進めます。

画面右下に「聞き取り中‥」と表示されたら、何か話してみてください。
ほんの少しの遅れはありますが、ほぼリアルタイムで字幕が表示されます。(下図)

 

先ほどは「常に字幕を使用する」を有効にしましたが、スライドショーを開始する前に「常に字幕を使用する」を有効にしておかなくとも字幕は使えます。
スライドショーを開始すると、画面の左下に薄く操作ボタンが配置されています。(下図)

 

この中の「字幕の切り替え」ボタンをクリックすると字幕機能がオンになり、再びクリックするとオフになります。

今度は「発表者ツール」での操作をしてみましょう。
ここでも、「常に字幕を使用する」を有効してスライドショーを開始し、発表者ツールを表示すると、スライド画面の右下に「聞き取り中‥」と表示されます。
何か話してみると、その音声がテキスト変換され字幕として表示されます。(下図)

 

「発表者ツール」においても、事前に「常に字幕を使用する」を有効しておかなくとも、スライド画面の下に並ぶ操作ボタンのうち「字幕の切り替え」ボタンを押すことにより字幕機能をオン/オフすることができます。

さて、最初の図の「字幕の設定」ですが、既定では「話し手の言語」も「字幕の言語」も日本語になっています。
これを「字幕の言語」を英語にしてみると、話し手が日本語で話した音声を英語に翻訳してそのテキストを字幕として表示してくれます。

また、字幕の表示位置も、その下のメニューで選択できます。
最下段の「その他の設定(Windows)」をクリックすると、Windowsの [設定]-[アクセシビリティ]-[字幕]が開き、字幕のスタイルを変更することができます。

いかがでしょうか。
TV番組でも多用される字幕/キャプションですが、「YouTube(8) 字幕を表示」でご紹介したように YouTubeでも、「Zoom 字幕」でご紹介したように Zoomでも利用されます。
特に、プレゼンの場の観客が高齢者や聴覚障碍者であったりするときは、この字幕機能が助けになると思います。
また、外国の方が観客である場合も有効かと思います。