先の「PowerPoint アニメーション」記事で、PowerPointのアニメーション効果の設定方法などは概略つかめたかと思いますが、箇条書きオブジェクト以外のグラフなどのオブジェクトについても例示したほうがより理解していただけると思い、今回の記事でご紹介しておきます。

(1) 縦棒グラフ
例えば、下図のような集合縦棒グラフがあったとき、そのうちの系列1(オレンジ色の縦棒)と系列2(黄色の縦棒)が表示されており、クリックすると系列3(緑色の縦棒)が下からスゥーっと入ってくるアニメーションとしてみます。

 

グラフエリアを選択し、[アニメーション]の [ワイプ]をクリックします。
このとき、グラフ全体が下からせり上がってきます。
[アニメーション]グループの右端 [効果のオプション]で「系列別」を選択します。
[アニメーション ウィンドウ]を開き、項目を展開し、まず系列1 を選択し右端の「▼」ボタンでメニューを開き「削除」をクリックします。


 

同様に、系列2、背景 を削除して、系列3 だけを残します。
これで、[アニメーション ウィンドウ]の最上部「ここから再生」またはメニュー左端の「プレビュー」をクリックして動作を確認します。

この例では「系列別」を選択したので、系列3(緑色の縦棒)がまとまって”ワイプ”しましたが、例えば 一番右のカテゴリ4 の系列3 だけをワイプするなら、[効果のオプション]で [系列の要素別]を選択します。
そして、[アニメーション ウィンドウ]で 系列3 要素4 だけを残して、他の行を削除します。

(2) SmartArt(手順・循環など)
SmartArtグラフィックも複数の図形の組み合わせと考えることができます。
例えば、下図のような「縦方向プロセス」という SmartArtについて、[アニメーション]の [スライドイン]効果を適用してみます。

 

[スライドイン]効果をクリックすると、SmartArt全体が画面の下からスゥーっとスライドしてみます。
[効果のオプション]を開いてみると、「方向」が「下から」、「連続」が「1つのオブジェクトとして」となっています。
これを、「上から」、「個別」に変更します。
こうすると、青い [矢印:山形]が上からスライドしてきて、次に青枠のテキストボックスが上からスライド、以降 続いて淡い緑色の [矢印:山形]、淡い緑枠のテキストボックス、濃い緑色の [矢印:山形]、濃い緑枠のテキストボックスの順にスライドインしてきます。

この状態で [アニメーション ウィンドウ]を開いてみると、下図のようになっています。

 

つまり、スライドショーで表示してみると、いずれのオブジェクトもクリックして順次表示する設定であることが分かります。

ここで、青い [矢印:山形]と青枠のテキストボックス、淡い緑色の [矢印:山形]と淡い緑枠のテキストボックス、濃い緑色の [矢印:山形]と濃い緑枠のテキストボックスを、それぞれまとまってスライドインさせるようにしてみます。

[アニメーション ウィンドウ]で、2行めにあるテキストボックスを選択し、右端の「▼」ボタンでメニューを開き「直前の動作と同時」をクリックします。
同様に、4行め、6行めのテキストボックスについても「直前の動作と同時」とします。

これで、[矢印:山形]とテキストボックスがそれぞれまとまって順次スライドインするアニメーションとなります。

(3) 2つの図形の入れ替え
2つの図形のうち、一方が表示されていたときに、クリックすると別の図形にスゥーっと入れ替わるアニメーションを作ってみます。

スライド上には、「雲」と「太陽」の図形が重なるように配置されています。(下図)

 

まず、「雲」について「終了」-「フェード」効果を施します。
「太陽」には「開始」-「グローとターン」効果を施します。
そして、「太陽」の「開始」タイミングを「直前の動作の後」とします。
このとき [アニメーション ウィンドウ]は下図のようになります。

 

プレビューしてみると、表示されていた「雲」がフェードアウトして「太陽」が回転しながら徐々に大きくなって表示されます。

今回は、複数の図形からなるオブジェクトのうち、任意の図形を個別に(または、まとめて)アニメーション効果を設定する例をご紹介しました。
「効果のオプション」と「タイミング」を個々に設定することで、より希望するアニメーション効果とすることができます。