住所録や顧客名簿などを Excelシート上に作ろうとするとき、郵便番号から住所の市区町村名を得ることは IMEの機能を利用してできます。
過去に「郵便番号辞書」記事でご紹介したように、かな入力モードで郵便番号を入力し変換すると得られます。
ところが、これから住所録を作成するなら、1つ 1つ郵便番号を入力して変換することもやむを得ませんが、すでに郵便番号、住所のいずれかが入力されている住所録で、対応する住所、郵便番号を追加入力する作業の場合はどうしましょう。

郵便番号と住所の対照表をその都度参照してタイプするのは、件数が多いときには時間も労力も要します。

Excelの関数など機能を使ってできないでしょうか。

実は、過去には Office 2007/2010向けに郵便番号変換ウィザードが提供されていましたが、既に配布は終了しており、Office 2013以降のバージョンでは利用できません。
また、上記のように IMEに郵便番号から住所への変換辞書が含まれますが、逆引き、つまり住所から郵便番号への変換ができません。
そして、郵便番号は、毎月、月末頃に更新が行われる(原則平日)そうなので、配布タイミングによっては、旧データを使うことになる可能性があります。

それなら、Excelで郵便番号・住所の対照表を作って、VLOOKUP関数などで参照するようにしてしまいましょう。
入力すべき郵便番号が大量にあっても、すぐに参照できます。

郵便局が提供している郵便番号データをダウンロードします。
郵便番号データダウンロード」ページにアクセスし、「住所の郵便番号(CSV形式)」の「読み仮名データの促音・拗音を小書きで表記するもの」をクリックし、開いたページで「都道府県一覧」から取得したい都道府県を選択するか、「全国一括」を選択します。
zipファイルとしてダウンロードされますので、解凍して csvデータを取り出し、Excelで開きます。
例えば「東京都」の場合「13TOKYO.CSV」というファイルですが、これを読み込んだ後に「東京都郵便番号データ.xlsx」としました。(下図)

 

各項目は、「郵便番号データの説明」ページに記載されています。

今回の目的では、次の項目が最低限必要な項目です。

  • C列:郵便番号
  • G列:都道府県名
  • H列:市区町村名
  • I列:町域名


もちろん、利用の態様によっては、これ以外の項目も必要になるかもしれません。

下図は、「郵便番号」「都道府県」「市区町村」「町域」の各項だけを残し、項目行を追加してテーブル化したものです。

 

さて、これを「郵便番号⇔住所」の変換対照表として使うには、少し手を入れておく必要があります。
「郵便番号」列の 7桁の数字を郵便番号として扱うには、文字操作関数などを使って「125-0053」のようにハイフンを補ってもよいし、単に表示形式「その他」で「郵便番号」とするようにしてもよいです。
「都道府県」「市区町村」「町域」を結合したデータ列「住所」を新たに設ける必要もあります。

また、VLOOKUP関数を使って「郵便番号」から「住所」を参照するならこのままでもよいですが、逆に「住所」から「郵便番号」を参照するなら、「郵便番号」列をテーブルの右側にコピーしておく必要もあります。
XLOOKUP関数を使ったり、INDEX関数と MATCH関数を組み合わせて参照するなら、このままでも逆引きは可能です。

いずれにしても、ご自分が使いたい「郵便番号⇔住所」対照表を備えておくことで、住所録において未入力となっている郵便番号や住所なども簡単に参照できるようになります。
あるいは、Excel関数の学習にも役立ちますので、一度お試しください。