数値データからなる表について、ある範囲のセルについてそれらの数値の合計を求めるなら「=SUM(C3:C10)」などといった SUM関数を使いますね。
このとき、引数であるセル範囲は、「C3:C10」のように列範囲でもよいし、「C3:G3」のように行範囲でもよいし、「C3:G10」のように行と列に広がる範囲でもよいです。
このように、シート上のセル範囲を“二次元(2D)”だとするなら、今回ご紹介する「3D集計」はさらに複数のシートにまたがって合計などの集計操作を行うことを指します。

例えば、「支店A」「支店B」「支店C」という 3つのワークシートがあり、それぞれが同じ表の仕様で数値データが入っているとします。(下図)

 

これの同じ項目、例えば B2セルの値を集計するイメージの操作を「3D集計」と呼びます。
上図のように、複数のシートを串刺しするように集計するので「串刺し集計」とも呼ばれます。

この「3D集計」は、同じブックの中にある複数のシートで、注目するセルの場所が同じである必要があります。
このような集計作業では、同じ形式のシートをコピーして使い、中身の数値データを個々に入力することが多いので多分問題にはならないと思いますが、形式の異なるシートにまたがって集計するときは注意が必要です。

それでは「3D集計」をしてみましょう。
上図の例のように、「支店A」「支店B」「支店C」の各シートを含むブックを使ってみます。(下図)

 

集計結果を収めるシート「集計」を作成します。(下図)

 

「支店A」「支店B」「支店C」のいずれかのシートをコピーし、シートの名前を「集計」に変更し、数値データ部分 B2~D4セル範囲をクリアしておきます。
シートのコピーについては「Excel シートを移動・コピー」でご紹介していますが、慣れてきたら [Ctrl]キーを押しながらシートタブを右にドラッグするのが簡単に手早くできます。

それでは、「集計」シートの B2セルに集計結果を求めてみましょう。

B2セルを選択し、[ホーム]-[編集]-[オートSUM]をクリックします。
B2セルには「=SUM()」と入力され、括弧の中にカーソルが入っていますね。
この状態のまま、「支店A」シートタブをクリックし、「支店A」シートの B2セルをクリックします。
数式バーは「=SUM(支店A!B2)」と表示されています。
続いて [Shift]キーを押しながら「支店C」シートタブをクリックします。
B2セルは「=SUM('支店A:支店C'!B2)」と入力されています。
[Enter]キーを押すと集計され、「集計」シートの B2セルは「=SUM(支店A:支店C!B2)」という数式になっています。(下図)

 

この操作を残るセルについて繰り返し行ってもよいですが、B2~D4セル範囲の 3D集計を一度にすることもできます。

「集計」シートの B2~D4セル範囲を選択します。
[オートSUM]をクリックします。
「支店A」シートタブをクリックし、「支店A」シートの B2セルをクリックします。
続いて [Shift]キーを押しながら「支店C」シートタブをクリックします。
そして、[Ctrl]+[Enter]キーを押します。
これで、B2~D4セル範囲の個々の集計が一度にできました。(下図)

 

ここでのポイントは [Ctrl]+[Enter]キーを押すことですが、これの代わりに再度 [オートSUM]をクリックしてもよろしいです。

これらの例では「SUM」関数を使った合計処理でしたが、平均を求めたり、個数を数えたりもできます。
3D集計ができる関数には、「SUM」「AVERAGE」「COUNT」「MAX」「MIN」「PRODUCT」「STDEV」「VAR」があり、これの互換関数も同様に使えます。