前回の「Word 画像の挿入」記事以外にも何気に使ってしまっていた「文字列の折り返し」、確かに Wordの操作を覚え始めの方にとっては「?」という思いが出てきますね。
今回は、改めて「文字列の折り返し」についてまとめてご紹介します。

「文字列の折り返し」は「word wrapping」または「text wrapping」の和訳で、「wrapping」は「包む」「巻きつける」といった意味です。
つまり、画像の周辺に文章で巻きつけるといった、画像と文章との配置関係をコントロールする機能です。

「文字列の折り返し」には既定の「行内」のほか、「四角形」「狭く」「内部」「上下」「背面」「前面」があります。

例を示しながら、それぞれのモードを見ていきましょう。

(1) 行内(下図)

 

既定のモードである「行内」ですが、カーソルのある行に画像が配置され、あたかも文字列と同じように文章中に挿入されます。
画像サイズが行の高さ以上であれば、その行の高さは画像サイズに応じて広げられます。
このモードでは、画像は 1文字単位でしか移動できません。

(2) 四角形(下図)

 

画像を取り囲む四角形の周辺に文章が配置されます。
画像の左右に文章があるときは、画像の左側にある文章は、そのまま画像の右側に続きます。
このモードでは、画像は自由に移動することができます。

(3) 狭く(下図)

 

以前のバージョンでは「外周」と呼ばれていたモードです。
文章が画像の近くまで配置されます。
このモードでも、画像は自由に移動することができます。

(4) 内部

前出の「狭く(外周)」との違いが微妙で、例としたイラスト画像では変化ありません。
要は、画像中に文字列が入れるだけのスペースがあるときは、その“内部”にまで文章が入り込むように配置されます。

(5) 上下(下図)

 

文字通り、その行には画像だけが配置され、文章は入り込めません。
画像は自由に移動することができます。

(6) 背面(下図)

 

画像は文章の後ろ(背面)に配置されます。
重なって配置されますが、文章が画像に隠れることなくすべて読むことができます。
このモードでも、画像は自由に移動することができます。

(7) 前面(下図)

 

画像は文章の前面に配置されます。
これも重なって配置されるモードですが、文章が画像に隠れる状態になります。
このモードでも、画像は自由に移動することができます。

さて、画像の右上「レイアウトオプション」の一番下にある「詳細表示」をクリックすると、「レイアウト」ダイアログが現れます。(下図)

 

このダイアログは [図の形式]-[配置]-[文字列の折り返し]-[その他のレイアウトオプション]をクリック、または画像をマウス右クリックし「レイアウトの詳細設定」をクリックしても出すことができます。

その「文字列の折り返し」タブを開くと、「文字列との間隔」項では「四角形」「狭く」「内部」「上下」のモードにおいて画像と文章の間隔を調整することができます。
また、「左右の折り返し」項では「四角形」「狭く」「内部」モードにおいて文章を画像の「両側」に入れ込むだけでなく「左側」「右側」「広い側」だけに配置するようにも選択できます。

なお、既定では「行内」モードで文章中に入るとお話しましたが、この設定を変えるには [ファイル]-[オプション]-[詳細設定]で「切り取り、コピー、貼り付け」項の「図を挿入/貼り付ける形式」にあるプルダウンリストから所望のモードを選択し「OK」します。(下図)

 

また、丸・四角・矢印など [挿入]-[図]-[図形]で選択する“図形”は「前面」モードで挿入されます。

Word文書において文章と画像との配置関係はこのほかにも操作メニューがありますが、Word特有の機能としてこの「文字列の折り返し」はとても大事です。
いろいろな画像を貼り付けて、そのモードによる配置をご確認ください。