先回「Power Automate Desktop(1)」では、PADのインストールと最初の起動部分だけご紹介しました。
今回は、簡単なサンプルを作ってみます。

PADを起動し、「+ 新しいフロー」ボタンを押し、適当なフロー名を付けると、「フローデザイナー」画面が現れます。(下図)

 

フローの作り方には 3つの方法が提供されています:

  • Webレコーダー
  • デスクトップレコーダー
  • フローデザイナー


「フローデザイナー」画面の上部にあるメニューを見ると、地球儀のような「Webレコーダー」、PCモニターのような「デスクトップレコーダー」があります。(下図)

 

あるいは、メニュー [ツール]を開くと [デスクトップレコーダー]、[Webレコーダー]があり、こちらから開くことも出来ます。

「Webレコーダー」は、Webブラウザでの Webページ操作を記録するツールで、「デスクトップレコーダー」は、それ以外のPC操作を記録するツールです。
ちょうど、Excelのマクロ記録のように、ユーザーが WebブラウザあるいはPC画面上での操作をシーケンシャルに記録してくれるものです。

今回は、超簡単なサンプルですが、これら 2つのツールを使ったフローの記録方法をご紹介します。

まず、「Webレコーダー」ボタンを押すと、「使用するWebブラウザーインスタンスを指定」画面が現れます。(下図)

 

現時点で PADでは Edge、Chrome、Firefox、Internet Explorerの各ブラウザに対応しています。
また、その画面にも表記されているように、Webブラウザを用いるフローを作成するなら、予めプラグイン(拡張機能)をそのブラウザに追加しておく必要があります。
まだ追加していない場合は、[ツール]-[ブラウザー拡張機能]からお使いになるブラウザーを選択すると拡張機能のインストール画面が開きますので、追加してください。

上図に戻って、例えば「Microsoft Edge」を使うならそれを選んで「次へ」ボタンを押します。
すると、Edgeブラウザーと「Webレコーダー」が起動されます。
初期状態では「日本マイクロソフト」ページが起動されていますが、最初に開くページを変更することもできます。
例えば「Yahoo! JAPAN」ページを開いたところからフローを記録するなら、「Webレコーダー」の「Webブラウザーの起動」欄にあるURLを変更します。(コピペできます。)

それでは、ここから記録してみます。
「Webレコーダー」の「レコード」ボタンを押します。
ブラウザー上の各要素にマウスを合わせると赤い枠が現れます。
「Yahoo! JAPAN」ページのナビで「天気・災害」を押し「Yahoo! JAPAN 天気・災害」ページを開きます。
「全国の天気」が表示されますので、地図上の「東京」をクリックします。
さらに「葛飾区」をクリックします。

これで記録は終了ですので「Webレコーダー」の「終了」ボタンを押します。
「フローデザイナー」画面が開かれ、記録されたフローが表示されています。(下図)

 

[実行]ボタン「▷」をクリックすると、先ほど記録したフローが順次実行されます。

まぁ、葛飾区の天気を見たいならそのURLをブックマークしておけばよいわけですが、PADの動作を知っていただくための超簡単なサンプルとしてご容赦ください。

動作が確認出来たら、[保存]ボタンを押して右上の「×」で閉じ PAD画面に戻ります。

次に「デスクトップレコーダー」を試してみます。
これも超簡単なサンプルとして「ごみ箱」を空にしてみます。

PAD画面で「+ 新しいフロー」ボタンを押し、適当なフロー名を付け、「フローデザイナー」画面を開きます。
[デスクトップレコーダー]ボタンを押し、「デスクトップレコーダー」画面を開き「レコード」をクリックします。
デスクトップ画面の「ごみ箱」アイコンをマウス右クリックして「ごみ箱を空にする」を選択します。
さらに確認のダイアログで「はい(Y)」をクリックして空にします。
最後にデスクトップの空いているところをクリックして、「デスクトップレコーダー」の「終了」を押します。

PAD画面に戻ると、下図のようなフローが出来上がっていました。

 

これも単にシーケンシャルなフローでしたが、実際のフローとしては「ごみ箱」が“空”になっていたことも想定し“条件分岐”を組み入れる必要があります。
それらの対処については次回以降でご紹介します。