Excel マップグラフ」の回にご紹介した「マップグラフ」は、国別や都道府県別のデータがあれば国名や都道府県名により濃淡で示した地図として表示してくれるので便利な機能です。
でも現時点では、もう少し狭い地域については対応しておらず、今後の対応を待つしかありません。

それでも、地図上にデータをプロットできると非常に分かりやすいグラフができるので、その方法を覚えると便利に使えます。

そのようなとき「バブル」というグラフが使えます。
「バブル」(バブルチャート)では、縦軸座標と横軸座標とで決まる位置にデータ値に対応する大きさの円を描くものですが、地図上にデータをプロットする場合は、縦軸に「緯度」、横軸に「経度」という座標が必要になります。

このとき「住所」から「緯度」「経度」を求める作業が必要になりますが、「Googleマップ」などの地図アプリを使えば求まります。
例えば「Googleマップ」を開き、検索欄に「千代田区神田駿河台1-1-1」と住所を入力し検索してみると、その場所が中央に配置された地図が表示されます。
そして、アドレスバーの表示中に「緯度」「経度」が含まれていますので、それをコピーして Excelシートの「緯度」「経度」列にペーストすればよいわけです。

ちなみに、上記の住所では「北緯: 35.6974636」「東経: 139.7604633」となります。

ところで、いちいち地図を開かなくともこの「住所」⇒「緯度」「経度」の変換をしてくれるサービスがあります。
例えば「Geocoding.jp」にアクセスすると、シンプルに下図のようなページが現れます。


この検索欄に住所や施設名などを入力し検索すると、「緯度」「経度」が表示されます。

結果表示画面内に「KML作成」と青字で書かれたリンクがあり、これをクリックして適当な名前を付けて保存すると、「KML」形式のファイルとして表現されます。(下図)

 

「KML」形式は、地理データの表示に使用するファイル形式で、XML標準をベースにしています。
上図では <coordinates>タグで記載されているところが「経度」「緯度」「高度」を表しています。

「Geocoding.jp」の他に、「Community Geocoder」、「Geocoding and Mapping」、「ExcelGeo」なども同じ目的に無料で使えます。
また、有料サービスでは「MapFan API」などがあります。

手作業で検索するなら上記のサービスを使い、コピペしていけばよいですが、緯度経度を調べたい住所がたくさんあるなら、Excelなどで住所リストを記入しておき Webスクレイピング操作をして調べると良いでしょう。
あるいは、その地図アプリをプログラムから操作する APIが、例えば「Google Maps API」や「Yahoo!ジオコーダAPI」などが提供されています。
これを使えば独自のプログラムを作成し、データを取得することもできます。

今回は Webスクレイピングの具体例は示しませんが、機会があればやってみたいと思います。