Excelではセルに入力された値を参照して利用することが多く行われます。
参照先のセルが同じシート内にあれば、単にそのセル番地、例えば「B5」というように指定すればそのセルの値が参照できます。
同じシートではなく別のシートにあるセルを参照するなら、シート名を付けて、例えば「Sheet1!B5」というようにセル番地の前にシート名と「!」を付けてしています。

それでは、参照元のブックとは別のブックに参照先のセルがある場合はどうでしょう。

下図の表は、A2セルに「会員No.」を入力すると、参照先のデータ表を検索して「氏名」「年齢」を表示するようにしたものです。

 

参照先のデータ表は下図のようになっています。

 

参照元の Excelブックの名前は「参照元Book.xlsx」、参照先のブック名は「参照先Book.xlsx」であるとします。
「参照元Book.xlsx」の B2セルには「=VLOOKUP(A2,[参照先Book.xlsx]Sheet1!$A$2:$H$10,2,FALSE)」と入力されており、同じく C2セルには「=VLOOKUP(A2,[参照先Book.xlsx]Sheet1!$A$2:$H$10,4,FALSE)」と入力されています。

「VLOOKUP」関数の第2引数は検索するセル範囲を指定しますが、この場合はいずれも「[参照先Book.xlsx]Sheet1!$A$2:$H$10」となっています。
つまり、「[ ]」(半角鍵括弧)で囲った参照先のブック名を先頭に付けて、シート名、「!」に続いて参照セル番地という形式で参照することができます。

このように別ブック内のセルに外部参照を作成しますが、このときのポイントは、参照先のブックも開いておくことです。
後は参照先のセルを指定するときに、手入力しても良いしマウスで指し示しても良いです。

この外部参照を作成し保存した後は、参照先ブックを閉じても、この外部参照は有効です。
参照先ブックを閉じて、改めて参照元のセルの中身を見ると「=VLOOKUP(A2,'C:\Users\(ユーザ名)\Desktop\[参照先Book.xlsx]Sheet1'!$A$2:$H$10,2,FALSE)」のように参照先ブックがフルパスで表示されます。
さらに、参照先ブックを開くと「=VLOOKUP(A2,[参照先Book.xlsx]Sheet1!$A$2:$H$10,2,FALSE)」のように単に参照先ブック名の表記になります。

さて、上記の数式を見ると参照先のセルの指定が長くなって見づらいですね。
例によって名前付けしてみましょう。
参照元ブックの [数式]タブで [名前の定義]をクリックします。(下図)

 

ここでは「名前」欄に「会員名簿」、「参照範囲」欄に「=[参照先Book.xlsx]Sheet1!$A$2:$H$10」と入力しました。
「参照範囲」欄の入力は、実際にはその右端の上向き矢印ボタンを押し、参照先ブックの指定セル範囲をマウスでドラッグし「×」で閉じて入力しました。
これで、名前付けができたので、参照元ブックの B2セルは「=VLOOKUP(A2,会員名簿,2,FALSE)」と指定することができます。

 

参照元ブックを保存後、参照先ブックも閉じ、改めて参照元ブックを開くと、下図のような注意表記が現れます。

 

先ほど設定した名前付けによる外部参照について信頼できるかどうかを確認しています。
この外部参照が信頼できれば「更新する」、そうでなければ「更新しない」をクリックします。

いかがでしょう。
参照先のブックが別のブックであっても参照できると、例えば、台帳のようなデータベースを、利用するブックから参照できるので便利です。

ただし、参照先のブックを別のフォルダなどに移動すると、作成した外部参照(リンク)を修正してあげる必要があります。
ここも注意が必要です。

なお、より詳しくは Microsoftのサポートページ「別のブックのセル範囲への外部参照 (リンク) を作成する」もご参照ください。