Microsoft Office 2019、Microsoft 365では Office文書などに挿入できる「アイコン」が提供されています。
もちろん、Excelでも利用できます。

これまで、[図形]の中から基本図形や線などを組み合わせて“図”を作成していましたが、より分かりやすいイラスト「アイコン」が使えますので、様々なシーンで活用されることと思います。

Excelを開いて [挿入]タブ [図]グループ [アイコン]をクリックして選択します。(下図)

 

とてもたくさんのアイコンが表示されますので、選ぶのに一苦労するかもしれません。(下図)

 

画面上部に「分析」「標識およびシンボル」‥‥などと並んでいるボタンを押して絞り込むことも出来ます。
これらのボタンは、その右端にある「>」を押してさらに他のボタンを表示することができます。
また、上部の検索窓に適切な検索ワードを入力して見つけることも出来ます。

その中から 1つのアイコンを選択し「挿入」ボタンを押すと、シート上にそのアイコンが挿入されます。(下図)

 

このアイコン画像は SVG (Scalable Vector Graphics :スケーラブル・ベクター・グラフィックス)と呼ばれる2次元ベクターイメージ用の画像形式で作成されています。
SVG形式については「Inkscape」の回に少し触れましたが、点の集まりで表現するビットマップ画像と違って、画像を円や直線などのような解析幾何的な「図形」の集まりとして表現するベクトル画像の 1つです。

例えば、円を作図するためには、その中心座標と半径が与えられれば描けますね。
その円を拡大するなら、半径として与えた数値を大きくしてあげるだけで綺麗な円が再描画できます。

上図の矢印のようなアイコンもどんどん大きく引き延ばしていっても周辺にギザギザのような図の乱れは生じません。

SVG図形だからと言って特別な操作は要りません。
普通の図形のように、拡大/縮小、回転、反転、そして着色などできます。

このアイコン画像は、テキストエディタで開けます。(下図)

 

これは、上図の矢印アイコンを VSCode というエディタで開いた一部ですが、XMLで書かれたものであることが分かります。
詳細には触れませんが、図形を構成する頂点座標や点を繋ぐ曲線などが定義されています。

なお、SVG形式には、このようにテキストベースで定義されるものもありますが、他にビットマップ画像をデータ集合として内包する形式もあります。

また、挿入した SVG形式のアイコンについて [グラフィックス形式]タブ [変更]グループ [図形に変換]をクリックすると、通常の図形に変換できます。
もし、頂点の編集などをしたいときはこのように図形に変換します。
(上記 XMLベースのファイルを編集することもできます。)