Excelで「うっかりミス」をしやすい多くはやはりデータ入力ミスではないでしょうか。
間違った数値や文字を含み多くのデータを入力してから、誤入力したセルを見つけるのはとても難しく時間を要する作業です。
時短を求める前にミスをなくせ、と教えてきました。
ミスをなくせば、結果的に時短につながります。
Excelの「うっかりミス」は、以降の記事でも時折触れていきますが、今回は「ドロップダウンリスト」の使い方をご紹介します。

そもそも、どうして入力ミスするのか。
根源的には「人が入力するから」と言えます。
例えば、会計データや家計簿などで費目(カテゴリ)をいちいち手入力していると、ベテランと言えど数が多くなってくるとミスタイプもします。
特に忙しい時は入力して正しく入力されたかチェックすることも疎かになりがちです。

もし、入力するデータが一連の語句から選択するだけでよいものなら、是非とも「ドロップダウンリスト」をお使いください。

(1) 直接リストを作成する
例えば、下図のような出金リストを考えてみましょう。

 

それぞれの項目に入力していきますが、「カテゴリ」欄にその都度「衣類」とか「食品」などと手入力するのは面倒ですし、なによりタイプミスの恐れが出てきます。
後で集計するときにも別のカテゴリができてしまい都合が悪いですね。

まず「カテゴリ」の入力欄すべて(B2~B7セル)を選択します。
(1つのセルに設定し、後で他のセルに「入力規則」をコピーする方法もあります。)
続いて [データ]タブ [データツール]-[データの入力規則]を開きます。(下図)

 

[設定]タブで「入力値の種類」を「リスト」に、「元の値」に「衣類,食品,文房具,生活用品」と入力し「OK」を押します。
このとき「元の値」のリストは半角「,」で区切って入力します。

すると、B2セルの右脇には「▽」が表示されます。
試しに(どのセルでも結構です)「▽」をクリックしてみると、先ほど設定したリストがドロップダウンリストとして表示され、リスト中の 1つを選択できるようになります。(下図)

 

この「ドロップダウンリスト」を使えば、いちいち手入力する必要もなく、リストから選択するだけですからミスはかなり減ります。

(2) 別に用意したリストを参照する
下図のように、「カテゴリ」のリストを F2~F5セルに作っておきます。

 

このリストは紙面の都合で出金リストのすぐ近くに作成しましたが、ずっと離れていてもよいし、別のワークシート上に作成しても構いません。

先ほどと同様に、「カテゴリ」の入力欄すべて(B2~B7セル)を選択します。
そして、メニューの[データの入力規則]を開きます。
「入力値の種類」を「リスト」に、「元の値」に「=」(半角イコール)とタイプし、リストのデータである F2~F5セルをドラッグします。
すると、「元の値」欄が「=$F$2:$F$5」となりますので「OK」を押します。(下図)

 

これで「ドロップダウンリスト」が作成されました。

なお、(1)、(2)の方法で作成した「ドロップダウンリスト」を解除するには、上図の「データの入力規則」画面の左下にある「すべてクリア」をクリックします。

(3) 入力済みのデータから選択する
すでに入力済みのデータを使って「ドロップダウンリスト」のように選択式にセル入力ができます。
最初の図のように、すでにいくつかのデータが「カテゴリ」列に入力されているとします。
まだ入力されていないセル、ここでは B5セルの上でマウス右クリックすると、下図のようにメニューが現れます。

 

この中の「ドロップダウンリストから選択」をクリックすると、下図のように入力候補のリストが現れ、いずれか 1つを選択して入力することができます。

 

ちなみに、すでに入力済みのセル、例えば B2セルで右クリックし「ドロップダウンリストから選択」をクリックしても、元のデータ「衣類」を除いたリストだけが表示されます。