先回「ChromeでできるPDFの分割」では、PDF文書の中から必要なページだけ抜き出して新たな PDFファイルを作成しました。

今回は、その中で出てきた「印刷」画面を応用して、PDF文書を見開き形式のものにすることと、印刷時に 2つ折りあるいは小冊子形式で指定する方法とをご紹介します。

最初に釈明しておきますが、Chromeブラウザ特有の操作でもなく、また PDF文書に限った話ではありません。
ある文書ファイルを印刷するときに、出力先をプリンターにすれば“印刷”ですし、「PDF」にすれば PDF変換となります。

それでは、まず見開き形式の印刷から見ていきましょう。

先回からの流れで、PDF文書を Chromeブラウザにドラッグ&ドロップし、「印刷」アイコンをクリック または [Ctrl]+[P] ショートカットキーを押して印刷画面を出します。
既定状態では、印刷用紙 1枚に PDF文書の 1ページが印刷されるようになっていると思いますが、見開きとするため「詳細設定」から「1枚あたりのページ数」欄で「2」を選択します。(下図)

 

「印刷」ボタンを押して印刷します。
上述しましたように、上図では「送信先」がプリンターになっていますので“印刷”されますが、これを「PDFに保存」とすれば見開き文書として保存されます。
また、PDF文書に限った話ではありません。

今度は Webブラウザからでなく、アプリから行ってみます。
ある文書ファイルを、対応するアプリで開いて印刷します。
そのとき、下図のような印刷ダイアログが現れると思います。

 

見開き印刷するには、図中の「ページサイズ処理」で「複数」を選択し、「1枚あたりのページ数」を「2」とします。

もしも、その文書が横長のものであるときは、「向き」欄で「横」を選択します。

次に、小冊子形式で印刷してみます。
小冊子形式は、印刷された用紙をまとめて真ん中で 2つに折り、その部分をホチキスなどで綴じて、全体としてはパンフレットのように小型本として読むことができるものです。
綴じた状態でページ順序を考えて印刷する必要がありますが、この面倒なページ配置などは「印刷」アプリがやってくれます。

これは Webブラウザの「印刷」画面では対応していませんので、Webブラウザでは [Ctrl]+[Shift]+[P] ショートカットキーを押して「印刷」ダイアログを出し、プリンターを選択したら「詳細設定」ボタンをクリックします。
文書に対応するアプリからは、通常操作で印刷ダイアログが出せると思います。(下図)

 

先ほどと似ていますが、「ページサイズ処理」で「小冊子」を選択して「印刷」ボタンをクリックするだけです。

ここで注意しなければいけないのは、出来上がりの小冊子のサイズです。
家庭用のプリンターの多くは A4判の用紙までを扱います。
A4判の用紙で「小冊子」印刷すると、印刷された用紙を半分に折って綴じますので、出来上がりは A5判の小冊子になるということです。

もし、出来上がりを A4判の小冊子にしたいなら、A3判まで印刷できるプリンターを用意した上で、上図の最上部「プロパティ」をクリックします。
出力先としてプリンターを選択しているなら、下図のようにそのプリンターに対するプロパティ画面が現れます。

 

「ページ設定」タブを開いて、「ページレイアウト」欄で「冊子」を選択します。
そして、「用紙サイズ」で「A3」を、「出力用紙サイズ」で「A3」または「用紙サイズと同じ」を選択し、「OK」ボタンを押してから「印刷」ボタンを押します。

ところで、A3判まで印刷できるプリンターがないときはどうしましょう?
調べてみると、セブンイレブンのコピー機には「小冊子印刷」モードがあるそうです。
私は事務所のプリンターでテキストを印刷するので、コンビニでは未経験ですが‥‥。