第三者に中身を読まれたくない文書ファイルなどは「暗号化」して保存しておくことで安全に保管できます。
友人や同僚だけに開示する場合には、暗号化して、別ルートで「パスワード」をその友人や同僚に知らせておきます。

暗号化に対応したファイルではその機能を使えばよろしいですね。
例えば、Wordで作成する文書では、下図のように、[ファイル]-[情報]の中にある「文書の保護」から「パスワードを使用して暗号化」を選択します。

 

すると、次の図のように「パスワード」を設定する画面が開きますので、ここに任意の文字列を入力します。

 

こうして Word文書は暗号化され、パスワードを知る人だけが開くことができるようになります。

ところが、暗号化機能を備えるアプリばかりではありません。
そのようなアプリで作成されたファイルは、どのように暗号化しましょう?

簡単な方法として暗号化に対応したアーカイバー(圧縮解凍アプリ)を利用します。
私が利用しているアーカイバーは「7-Zip」という無料アプリです。

Windowsに標準で備わるアーカイバーは ZIP形式(.zipファイル)を作成し復元するものです。
あるファイルやフォルダのアイコンを右クリックし、[送る]-[圧縮(zip形式)フォルダー]を選択すると作成され、できた zipファイルを右クリックし「すべて展開」を選択して、展開する場所を指定して「展開」ボタンを押せば、フォルダに格納された形で復元されます。
これは、ファイルサイズの圧縮という効果もありますが、複数の関連ファイルがバラバラにならずに纏めておけるアーカイバー本来の役目を果たしており、便利なツールです。
元来 ZIP形式にはパスワードを付けて保護する暗号化機能もあるのですが、残念ながら Windowsに備わる標準機能ではパスワード付きの zipファイルの作成(暗号化)はできません。

そこで「7-Zip」となるわけですが、「7-Zip」はコチラからダウンロードしてインストールできます。
Windows用には 32ビット版と 64ビット版がありますので、インストールする Windowsパソコンに応じて選択してください。

インストールできたら、試しに「圧縮」してみましょう。
例題として「とある文書」という Wordファイルを用意しました。
これを右クリックすると、下図のようなメニューが出ます。

 

「7-Zip」にポインターを合わせると、図のようにサブメニューが現れます。
「圧縮…」から下が「圧縮」関連のメニューです。
「圧縮…」を選択すると、下図のような画面が現れます。

 

この中で「暗号化」と書かれた部分が対応部分です。

「7-Zip」の既定のアーカイブ形式は「7z」ですが、「zip」形式で作成することができます。
「zip」形式で作成すれば、「7-Zip」をインストールしていないパソコンでも Windows OSの標準機能で復号できます。
「アーカイブ形式」欄で「zip」を選択すると、「暗号化」欄の暗号化形式は自動的に「ZipCrypto」となります。
あとは、パスワードを設定して「OK」を押せば出来上がりです。

この例では、1つファイルだけでアーカイブしましたが、複数のファイルを選択しておいて「圧縮」することもできますし、フォルダを右クリックしてアーカイブすることももちろんできます。

なお、上記メニューは、対象ファイルに応じて選択項目が変わりますが、「圧縮…」は共通して出てきます。

最後にご注意。
暗号化するときに「パスワード」を設定しますが、くれぐれも忘れることのないようにしてください。
また、暗号化したファイルをメールに添付して送ることをよくしますが、そのメールに「パスワード」も書いて送ることはやめましょう。

「パスワード」の作り方は「パスワードの管理(1)」にも書きましたが、容易に類推できる英単語や簡単な数列などは避けてください。