いろいろなネット企業がユーザにサービスを提供していますが、そんなとき この「クラウドサービス」というコトバが出てきます。
「クラウド」というのは 英語で“cloud”(雲)のことです。
‥‥と言われても 文字通り「雲を掴むようなハナシ」ですね。

 

例えば、あなたがパソコン上に保有するデータを預かってくれるサービスがあるとしましょう。
そのデータは、ネット上のコンピュータに保存されるわけですが、特定のコンピュータに保存されるとは限りません。
多くのユーザに同様のサービスを提供するとき、Aさんのデータは Xというコンピュータ、Bさんのデータは Yというコンピュータ‥‥というわけでなく、Aさんから見ても Bさんから見てもこのサービスへの入り口は同じで、それぞれのデータはサービス提供業者が保存コンピュータを適宜決めて保存します。
利用者である Aさんや Bさんは、サービスで使用している個々のコンピュータがどのように構成され接続されているかは見えづらく、また気にする必要もないので「cloud (雲)」という名称がつきました。

 

クラウドサービスは、専門的にはいくつかの利用形態により分類されるのですが、ここではみなさんがよく使うサービスを例にご紹介します。

 

「Gmail」や「Yahoo!メール」などの Webメールをお使いでしょうか。
これらのメールは、自宅のパソコンなどに専用アプリをインストールしなくとも、Webブラウザが開ければ、自宅PC、職場PC、スマホやタブレットなどでいつでも どこでも読んだり送信したりできます。
そして、プロバイダ契約をして自分用のメールサーバーを用意する必要もありません。
単にネット接続できていれば使うことができます。

 

利用者は、このメールがどのサーバーにあって、大量のメールを送受信し保存してくれているかは知らずに使っています。

 

もうひとつ、「Googleフォト」というサービスをご紹介します。
スマホなどで写真を撮っていくと、写真はスマホ内部のメモリに格納されます。
これがどんどん枚数が増えていくと、仕舞いにはメモリ容量を圧迫してしまいます。
「Googleフォト」サービスを使うと、写真をサーバーに預かってくれますので、転送後はスマホのメモリから写真を削除して身軽になることができます。
おまけに、写真に写っている人の顔を認識して自動分類してくれたり、撮影場所を画像から認識して自動分類してくれたりしますので、写真の整理も楽に行えます。

 

このサービスでも、利用者はその内部の仕組みや構成を気にすることなく使うことができます。
そして、写真を閲覧する端末も場所も任意でよいので、スマホで撮った写真を自宅のパソコンで見たり整理したり印刷したり自由に扱うことができます。

 

クラウドサービスは、これまで 1台のパソコンの中だけで処理をしていた作業を、ネット上のコンピュータ(サーバー)を使って機能拡張して処理するものとも言えます。