ガンプラ、超リアル塗装考(1)
以前から書いていますように、ガンプラの塗装は個人の志向で自由にするものなのですが、今回はあえてスケールモデラー的発想で、
実際に存在する兵器という観点で塗装するならこうなるのでは?
ということを考えてみましょう。
なお、あらかじめ申し上げますが、女子プラに代表されるデコ系塗装を楽しむ方には、まったくもってどうでもよい話題です。
まあ、ズゴックの頭に芽が生えるとか、ベアッガイのようにいかに遊んで塗装するかを考える場合にはまったく関係ないですね(笑)
あくまでもMSを兵器として考えたらこうじゃない?っていう視点でのお話です。
(1)外装塗装は「光沢」「半光沢」「つや消し」?
これって、ガンプラモデラーの塗装方法での異論続出の話題ですね。まあ、正解はこれというのがないというのが正解・・かな?
と書いちゃったら意味ないんで、視点を分けて考えていきましょう。
ⅰ.陸戦兵器としての視点・・・無難なのはつや消し?
陸戦兵器として思いつくのは、戦車などの兵器。ここでの塗装はつや消しですね。地上戦闘において太陽光の反射率が高いと、目視上目標とされやすいっていう問題点があります。
そのために、戦車の塗装はつや消しなんですよ。
ですから、陸戦タイプのMS(陸ガン・J型ザクなど)であれば、迷彩を施したつや消しっていうのがフィットします。
ただし、陸上でも高速移動を主として運用する場合はその限りではありません。例えばF1マシンの塗装でつや消し・・・、ありえませんよね、光沢塗装です。その理由は、下記の項目で。
ⅱ.空戦・海戦兵器としての視点・・・無難なのは光沢または半光沢
空中や水中での使用を主とする兵器の場合、つや消し塗装はまずありえないです。その理由は・・・
大気や水の抵抗を受けやすいから!
高速移動をする場合、空気抵抗などは障害にしかなりませんね。その抵抗を軽減するには機体表面の気流や水流に注意が必要なのです。
ただし、兵器の場合はあからさまな光沢塗装は反射率を高めすぎるので、抑えめの半光沢が主流です。クレオス系の船色や戦闘機色、ほぼ半光沢ですよね?
ですから、Zガンダム(大気中のウエーブライダーでの運用)やマリンハイザックなどの機体では、半光沢が無難っていうことなんです。
ⅲ.宇宙戦用の機体・・・光沢は無理でしょう?
ミノフスキー粒子下での戦闘、つまりレーダーが効かない目視戦闘となった場合、過度な反射は危険じゃないですかね?といって、つや消しの場合は機体に熱を吸収しすぎるという問題点もあるでしょうから、難しい。
特に、大気圏上層での戦闘なら、つや消し素材のほうが高温化しやすいから危険ですよね。
まあ、無難なのはやはり半光沢。かな?
ⅳ.ちなみに耐熱塗料・・・
現在生産されている耐熱塗料は、700℃くらいが限界のようですね。宇宙世紀の時代では、その性能がどこまで上がっているのかわかりませんが、いいとこ800℃くらいって考えちゃいます。
まあ、SR-71のようなマッハ3クラスの高速で飛行する航空機の表面温度でもせいぜい300℃ということなので、その程度の性能でもOKなようです(SR-71の場合、部分によっては700℃近くまで上昇)。
ただし、大気圏突入時は話は別、スペースシャトルの大気圏再突入時は1500℃まで上昇するとのことなんで、この温度ではまったく塗装は意味を成さないですね。
ですから、別な耐熱方法を考える必要があるってことです。
(つづく)



