F氏の自己反省的プラモ講座 「検証・・。パーツ破損の原因と対処法」
先日のZガンダム作成日記において、パーツの破損のために作業中断という憂き目にあったF氏ですが、自らのミスをしっかりと検証し、次のステップに向かうための場として、今回の記事を作成いたします。
[破損状況と部位]
Zガンダムの肩関節部分(写真赤丸部)を胴体の肩軸にハメ込む作業中、負荷が掛かり過ぎたため破損。右写真はその残骸のアップ。
[原因]
対象の部位はプラパーツではなくABS樹脂製のため、塗装による劣化症状を起こしていたために、過度な負荷に耐えられずに破損した。
では、ガンプラなどによく使われているABS樹脂は、どのような特徴を持っているのか。Wikipediaの該当ページから説明を抜粋いたしますと・・・・。
◯剛性、硬度、加工性、耐衝撃性、曲げ疲労性など機械的特性のバランスに優れる。原料の配合比率を調整して、それぞれの特性を強調することも可能。
◯表面の美観に優れる。また、印刷特性にも優れる。
◯良好な流動性を持ち、薄肉品などの成形性が良い。
◯有機溶剤には可溶だが、酸性溶液やアルカリ溶液には不溶。
◯耐候性はあまりよくなく、長時間直射日光を当て続けると劣化する。
◯一般に耐薬品性には劣り、アルコール類、鉱物油、強酸、強アルカリなどの付着により劣化し、ケミカルクラックの要因となる。
まあ、ようするに旧来のキットでポリキャップを利用している部分に、硬性や弾力性を加味したプラスチック素材に近いものとして導入されてるってことですね。
ただし、耐薬品性には劣り、塗装がケミカルクラックの要因となるっていうのが大きなネックっていうわけです。
ですから、ガンプラの設計図には、ABS樹脂への塗装を控えるような文言が掲載されてるってわけです。
でも、僕みたいな徹底塗装派は、たとえリスクを背負ってでも塗装したくなっちゃいます。アホだと思われてもね・・・。
しかし、昨年度の比較的後期に作ったキット(ティターンズMk-Ⅱ以降)では、状況チェックをしてもそれほどの問題は起きてません。
また、比較的初期のスーパーガンダムでも同様なんです。いったいZガンダムの塗装は何が悪かったのか。
で、その当時はどういう塗装をしていたのかを思い出したら、答えはみえたんですね。
[ABS樹脂劣化の原因]
この樹脂は、有機溶剤などの浸透性が、プラパーツより大きいためその浸透が劣化の原因になるんです。つまり、シンナーなどの溶剤で直接拭くなどはもってのほかです。
あと、乾燥の遅い塗料(エナメル系など)は、乾燥するまでに有機溶剤が浸透するためにボツですね。アクリル系水性塗料とて有機溶剤を使ってますし、比較的乾燥は遅いほうなので厳しいってことです。
つまり、有機溶剤を浸透させなきゃいい!
そう、比較的無事なキットたちは、塗装のしかたが違ったんですね。Zガンダムのときは、焦って良くない塗装をしていたんです。
何かっていうと、一気に厚塗して時間をかけて乾燥させねばならない状態にしたこと!これが悪いんです!
まあ、うまくいっていたキットは最初に薄くサフなり塗料を塗っていて、即時乾燥させてから重ね塗りしてたって事っす。
つまり、表面に塗料の膜を構成させて上塗りの浸透をガードしてたっていうことなんすね。Hi-νガンダムあたりの頃は真面目に調べて、次のような処置をしてました。
下塗り材、表面仕上げ材でABS樹脂対応のものは何かを調べました。結果、サーフェイサーかTOPコートがよいことに気が付きます。(缶横の用途を拡大するとABSって書いてます)
で、ラッカー系塗料ののりを考慮してサーフェイサーを選択。しかも、超薄く皮膜を作るように重ね塗りをしました。
まあ、大雑把に書くとこんな感じです。
で、正しい塗装テクは、このコトブキヤのサイトでご確認ください。↓
でまあ、コトブキヤのサイトにも、ABS樹脂を塗装したいって思う人は多いって書いてますね。どうやら僕だけではないみたいでホッとしました。
ただ、リスクが減るっていうだけで0になるわけではないですから、塗装の際はコトブキヤサイトにもありますように、自己責任でお願いします。
まあ、今回のような失敗は、よくある話です。ただ、リスクを恐れて、マダラ塗装するとかいう見苦しい手抜きのような作品を作るよりは、1パーツ40円のリスクを背負ってでも、ABS樹脂フル塗装に挑戦する。
それが僕の考えですね。
ただし、皆さんにはいつものように「オモロイから試してみてください」的な言い方はしません。上記のようなリスクがある以上、僕はやっても皆さんにはおすすめは出来ないっす。
ただ、挑戦することは止めませんから・・・。
人間の向上心は貪欲、挑戦して失敗する角に成功がある・・・。
