F氏のお気楽?プラモ講座 表面仕上げと塗装(1)
さて~、久々のプラモ講座です。今回の対象は、
本当は塗装したいけど、素組や簡単フィニッシュで作成なさっている方々ですね。
結論を先にいうと、
簡単フィニッシュよりも安易な塗装法があるよ!
っていうことです。
ではまず、なんで多くの人が素組や簡単フィニッシュでプラモをつくっているのか、その辺から。
最近僕が加入したグルっぽの皆さんの考えだと、「ホントは塗装したいけど、環境や条件が揃わないから簡単フィニッシュでごまかしてるよ」みたいな声が多かったですね。
そうですよね。僕も、エアーブラシは親たちから禁止されてるし、大掛かりな仕掛けは出来ない状況です。でも、ここで1つの矛盾があるのですよ。
 左は水性TOPコートの注意書き、右はクレオスの缶スプレー塗料の注意書きです。
どちらにも共通して、バツマーク。つまり、有毒性の警告が同じように書かれているのですね。(写真をクリックして拡大すると、注意書きも読めますよ)
つまり、缶スプレーで塗装しようと、成型色を生かしたTOPコートを使おうと健康面へのリスクは大差ないっていうことです。
リスクが気になるなら、TOPコートの使用はやめたほうがいいですね。そういう過酷な環境なら、素組で無塗装で作るのもやむなしでしょう。
というわけで、申し訳ないんですが、家族への健康配慮のために塗装を自粛なさっている方々は、素組で作ることをお勧めします。
逆に言いますと、TOPコートの使用を現状でもなさっているのなら、スプレー缶の塗装は可能ということなんです。同等のリスクならチャレンジするのはいいと思いますよ。
じゃあここで、簡単フィニッシュ法に関して。そもそもこれが世に出たのは10年ほど前のこと。高度な塗装技術や環境を必要とせずに、成型色を生かして仕上げる方法として、主に初心者向けに開発されたものです。
で、大まかに分けると次の2つに大別されます。
A.正式法 MAX渡辺氏提唱です。
各パーツのゲート処理やつなぎ目消しを終了後、表面を400~600番程度のヤスリがけをしてヒケや傷処理をする。
↓
スーパークリアー光沢を全体に噴霧し、表面の凸凹を滑らかにする。
↓
デカールやマーキングシールを貼る。
↓
TOPコート(つや消しが主)をかけて、表面を保護する。
B.簡易版(俗に超簡単フィニッシュともいわれてます)
各パーツを切り離す前に、剥離剤の洗浄作業を行う(省略する場合がけっこうある)
↓
各パーツのゲート処理やつなぎ目消しをする。ヤスリがけは、1000~1200番くらいまで。
↓
デカールなどの処理後、TOPコート(つや消し)をかけて、表面を保護する。
Bの方法では、つや消し以外では表面の傷をごまかせないので、仕上げはつや消し必須となるようです。
さて、この2つの方法ですが、明らかにBのほうが楽です。しかし、どちらも各部品単位で仕上げ作業が待っているんで、僕的には結構手間かなって思うんですよね。
あと、僕が簡単フィニッシュ作成をしない一番の理由は、HGやMGの成型色がアニメイメージとかけ離れているケースがあまりにも多いからです。その顕著な例は、下のMGジ・オです。
このキットを購入して、成型色を見た瞬間、正直なめとるんか~!って思いましたね。12000円のキットをこんな安っぽい色で仕上げるなど耐え難かったんで、クレオスのダークイエローで塗装しました。
だから、簡単フィニッシュでよしとするか塗装をえらぶかは、成形色に対する違和感に妥協するかしないかが分かれ目です。僕は、妥協しない。だから、塗装するっていうことですね。
さて、僕の塗装法は、かなり手抜きです。下手したら超簡単フィニッシュよりも楽してます。仮にC法として手順を説明しますと・・・、
キットを中性洗剤で洗い、剥離剤を落とす。
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乾燥後、ゲート処理が難しいパーツをのぞいて、缶スプレー塗料でランナーごと塗装する(2回重ね吹き)。
↓
組み立て時にそのつど部品を外し、ゲート処理後そこだけを同色のビン塗料で塗る。
以上です。上のジ・オもそのように仕上げ取ります。
あと、まともに塗装する方のようにサーフェイサーも使うことは多々あります。が・・・・、
成型色と明らかに異なる色で塗装したい時だけ、スプレーのサフを使います。ヒケや傷を治す程度なら、右側のビンサフや溶きパテでその部分だけランナーから切り離さずに修正し、あとは普通に塗装します。
さて、簡単フィニッシュと僕の方法を比較するとどんな違いがあるのかっていいますと、次のサンプルをご覧ください。
Cは僕のやってる塗装をした部分。AはMAX渡辺氏提唱の正式版簡単フィニッシュで処理した部分です。簡単フィニッシュでは大きな目的はキットのプラスチックぽさを抑えるというとですが、実験した結果そうでもないですね。
素のプラむき出しの部分と比べて、それほど大きくは変化していないです。それ以上に大問題なのは青丸の部分です。エッジのシャープさが失われていることにお気づきですか?
スーパークリアーは、塗膜が厚いことが特長です。それゆえ、傷などを隠すのに適しているのですが、反面このようにTOPコートを重ねると、キットのシャープさを損ね厚ぼったいイメージになってしまいがちです。
缶スプレー塗料の場合、2回重ね程度ではそのようなことは起きにくいのです。
つづく
昨日、風邪でダウンしたときにフライングで作った休載記事にコメくださった方々へ、すみません。意地で書いたんで、あの記事は削除しました。



