【私がウニになるまで】1はこちら

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私は現在ボイストレーナーを生業としてます。


しかしほんの数年前までは《舞台女優》でした


それも所謂 子役出身





小さい頃は不思議がられた行動も


今思えばれっきとした自閉症の症状だった…



けれどその症状たちは決してマイナスだけではなく
子役・女優としての私の強みになっていたのです





自閉症でよかったこと一つ目。



《先生や演出家の話を聞く時、相手が困るほど見つめる。》


「先生の話よく聞こうね」が行きすぎていたのです。


私は耳だけで聞くということが
全く出来ませんでした。

学校でもそう。


逆に「耳だけ貸して〜」は

《目は見ちゃいけないんだ》
と思っていました。


自閉症特有の【言葉を言葉通りにしか受け取れない】を絵に描いたよう。




ダンス教室の先生が母に『見つめられすぎて怖いほどよく話を聞く』と言ったそうです。



決して“見るだけ”だったわけではなく
全力で話を聞くことを徹底しなければならないと
ある種の強迫観念に似たものを持っていた気がします。




今こうして綴りながら思い出しましたが

話を聞いている時に
横の子が下を向いたら手遊びをしたり話し出したり……

そういうのに気づいてしまうと頭の中がぐちゃぐちゃになって辛かったです


自閉症だったからこそ
異常なまでの集中力で師の話を聞けたのだと今は思います。


大人になってからも変わらず。
相手の話を目・耳・心すべてで聞くことを徹底出来ていると自負しています。






自閉症でよかったこと二つ目。



《反復練習の鬼となれる》



“ちょっとやる”の程度がわからないんです。

だから【全くやらない】か【めちゃくちゃやる】の両極端


やりたいことは徹底的にやるしか無かったのです。



セリフ練習も、ダンス練習も、芝居の動線確認も、人物のバックボーン作りも、歌の基礎練習も…………



鬼にならないと気が済まない。


やり続けないと納得がいかない。




この私の中に住む《反復練習の鬼》は
舞台女優としての服部杏奈を支え続けてくれました。





(懐かしきアニーの私)











少し綴る手を止めて考えてみましたが、


《自閉症がプラスになったこと》といえば
こんなとこでしょうか。


子どもの当時は自覚がなかったからあまり数が出せない!

きっともっとあったと、そう信じたいな。



他の自閉症の方の《自閉症がプラスになったことエピソード》もぜひ聞いてみたいです☺️💐







さて。

話は子役時代に。
小学校は年の半分しかいけなかったあの頃。




つづく
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