● 観ても寒い。謡っても寒い。 | 心をほぐして整えるカードリーディング 石田直美(なお)@ 東京神奈川

心をほぐして整えるカードリーディング 石田直美(なお)@ 東京神奈川

オラクルカードを使ったリーディング
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また同時に、豊かな人生のための「心の在り方」を
心理カウンセラーとしてもお話しします。

こんばんは、なお です。
 
 
今日はお謡(能の謡曲)のお稽古でした。
 
 
去年からやっていた曲『砧』が、本日やっと終了。
先週今週と、最後のクライマックスのシーンだったのだけど、
やっぱりとっても難しくて、
謡のことばに込められている「想い」を謡うのは、
なかなかうまくできないねぇ…(´・ω・`)
 
 
『砧』という曲はですね、
単身赴任で遠方に行ってしまった夫を、
ずーーーっと待って待って待っていた妻が、
帰ってくるはずの予定がまた伸びてしまったために、
絶望した気持ちから病いにかかって亡くなってしまう。
そして、その亡霊が夫に恨みと愛を伝える  ――
というお話なんですよ。
 
 
タイトルになっている『砧』とは、
生地を棒や木槌で叩いて柔らかくする道具で、
まったく帰ってくる気配のない夫を待ち、
気持ちやら時間やらを持てあましながら打つ砧に、
それはもう、いろんな想いがあるんだと思うの。
 
設定の晩秋の肌寒さと物悲しさがベースに漂ってて、
上質なお舞台を観られた日には、
暖かい能楽堂なのにも関わらず、観ながら
「あぁ…、なんか寒い……」となる曲です(笑)。
 
 
ホント、能って不思議なもので、
舞台装置はひとつもないし、
照明の操作もまったくないのに、
お舞台を通して、観ている見所(観客)に、
寒かったり雪が降ってたり、
空の明るさや夜の暗さまでもを感じさせるものです。
 
 
中世日本史を研究している友人は、
日本の中世には、「わび」「さび」の他に、
「冷え」という感覚があったのではないのか、
と語るのだけれども、
この曲を観ていると、それは確実にあるなと感じさせられる。
 
話が進んでいくうちに、
空気がしんしんと冷えてくる感じがしてきて、
その「冷え」を、表現していないのに感じさせることが、
この曲ではとっても重要なキーポイントなんだと思うのね。
 
 
しかしながら、わたしの未熟な謡では、
その悲しみややるせない想いやらを
うまく表現するのはまだまだまだ、できてないわけですが(笑)。
 
 

月岡芳年さんの『月百姿』のなかの『砧』。

 

 
 
で。
なにはともあれ、『砧』は終わったー!
次だよ次―!

ということで、次は、『葛城』という曲にした。
 
奈良県の葛城山にいる神様の伝説を伝えるストーリーで、
個人的にも好きな系だし、
観たことあるお舞台だし、
いいかなって思って♪←
 
 
と思ったらさ、
葛城山の、冬の深い雪に閉ざされたとこでの話だった…。
 
ぎゃー、また寒いやつ――!((+_+))
きっと、ガッツリ謡ったら寒くなるやつ――――!
 

ほらほら、見て見て! 昔の能装図にも雪!積もってるー!
(実際の小道具には雪はありませんw)
the 能.com さんから拝借。
 
 
と気が付いた今の外気温1℃の夜でした…。