『新モデルの柔道着に混紡されたポリエステルを含む3大合繊とは』
新モデルの柔道着を発表 新素材で軽量化
全日本柔道連盟(全柔連)は4月以降の主要大会で日本代表選手が着用する新たな柔道着を5日、東京都北区の味の素ナショナルトレーニングセンターで発表した。従来は綿100%だったが、ポリエステル20%の混紡を採用して1割ほど軽量化。素材が柔らかくなることで組み合いやすくする狙いがあるという。
昨夏の世界選手権覇者が試着。男子73キロ級の中矢力(ALSOK)は「すごく軽くて動きやすい。生地が柔らかいので外国人の組み手が切りにくいかも」と感想を述べ、女子57キロ級の宇高菜絵(コマツ)は「今まで以上にスピード感のあるパフォーマンスを発揮できる」と歓迎した。 2015/3/05 【共同通信】
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【出典】日本化学繊維協会 URL: http://www.jcfa.gr.jp/data/japan/2_2.html
日本代表選手の新モデルの柔道着にも採用された「ポリエステル」綿に比べ軽量で腰が強いことから様々な分野で使われている化学繊維の代表格ですが、他に「ナイロン」「アクリル」を合わせたものを業界では「3大合成繊維」と呼んでいます。今回はそんなユニフォームアパレルはもちろん、様々な用途に使用されていてる3大合成繊維のお話です。
■圧倒的シェアを誇るポリエステル
その汎用性の高さから合成繊維の中での圧倒的なシェアを持つポリエステル。皆さんも見かけることが多いのではないでしょうか。1953年にアメリカのデュポン社が特許を取得し工業化。強く腰があり型崩れしにくい特性があり、熱可塑性(ねつかそせい)に富むことから熱を加える事で加工がしやすいことが、シェアの高さにもつながっているようです。ただ、吸湿性が極めて低いことから染めにくく、帯電もしやすいなどの弱点もあります。
■鋼鉄よりも強く、クモの糸より細いナイロン
こちらもアメリカのデュポン社の化学者ウォーレス・ヒューム・カロザースによって開発された化学繊維。その後、日本でも東洋レーヨン(現・東レ)が合成に成功。細くて強い特性を持つことから、女性のストッキングに使われたのが始まりとされ、当時のキャッチフレーズは「鋼鉄よりも強く、クモの糸より細い」でした。
■羊毛の代用品として広まったアクリル
1950年アメリカのデュポン社によって工業生産が開始され、日本では1956年~1959年にかけて工業生産されるようになりました。アクリルはウールや綿、シルク等より軽い繊維でふっくらした感触と適度な保湿性をもっており、色落ちのしづらさ示すを染色堅牢度が高いのが特徴。ウールに比べ摩擦や引張に強い反面、腰は弱く吸湿性には劣るため静電気が起きやすくピリングしやすいなどの弱点があります。
以上、簡単ですが今日は3大合成繊維のお話でした。ちなみに一口に化学繊維と言っても今日お話した合成繊維の他に、半合成繊維、再生繊維がありますが、その辺りのお話はまた次の機会ということで。
*******************************************
企業様向けにサンプル商品の貸出も行っております。ぜひご利用下さい。