だいたい夫が先に死ぬ これも、アレだな
高橋源一郎 著
毎日新聞出版
「サンデー毎日」に連載しているエッセイシリーズの2冊目とのこと。
図書館で見かけてふらりと借入。2023/7/18刊。
何となく面白そうだと思って借りたのだが、
高橋源一郎って馴染みのあるようで、
考えて見たら読んだことがなかった。
何なんだろう、雑誌か何かで読んでいたのか。
また、サンデー毎日も読んだことなかったな。
タイトルや装丁からして、
日常を描いたユーモラスなエッセイというイメージだが、
内容は多岐にわたり、
予想以上に文芸評論色の強い内容だった。
文芸評論では、新刊のレビューから古典の評論まで。
切り口も新鮮である。
その中で、芥川賞する前だった「東京都同情塔」の作者九段理江の、
当時の最新作「Schoolgirl」をとりあげていたのも目をひいた。
映画やドラマに関する評論も多い。
その中でハッとしたのが『イカゲーム』。
気にはなっていたけど観てなかった作品で、
それどころか忘れかけていた存在…
しかし本書を読んで、観たくなってしまったではないか(笑)
まあ、そんな2年ほど前の「近過去感」を味わえる一冊。
そんな近過去のクライマックスとしてラストに登場したのが、Chat GPT。
著者が実際に体験したレポートが描かれる。
今でも決して古くない内容だし、
純粋な文学者の体験レポートとして貴重だと思った。
そんなこのシリーズも、
最新作が出版されたようである。
さっそく、買わずに図書館に予約入れました(笑)