光源氏 20歳
都は花の盛り。
満開の夜桜の下、宮中の花の宴。
許されぬ藤壺への想いに苦しむ光源氏は
宴のあと 藤壺に会いに行くが
藤壺の部屋は しっかり閉ざされている。
ふと 隣の部屋に忍び込むと そこには美しい姫がー・・・
朧月夜 ?
右大臣の娘。 源氏を憎む、弘徽殿の妹。
突然の光源氏との恋にとまどうが
月明かりの下、情熱的な一夜を過ごす。
桜の宴で出会った二人は
一度は名を告げぬまま 別れたが
藤の宴で光源氏は彼女を探し当て
二人の危険な恋は 危険という名の甘いスパイスを加えて
燃え上がる。
なんともゴージャスなこの「花宴」!
これまでの女性達は
人妻であったり 身分が低かったり
貧乏だったり ブスだったりと
なにかとコンプレックスがありましたが
この朧月夜は 正真正銘の姫君!
今をときめく右大臣の娘
姉は 皇太子の母
しかもとびきりの美女!
舞台は 花ざかりの宮中
宴の余韻残る、宵闇の恋
しかし右大臣は 光源氏の政敵であり
姉の弘徽殿は 光源氏を何よりも憎んでいる
なにより朧月夜自身、
皇太子(しかも光源氏の兄)のお妃候補なのだ
美しい貴公子と 権力者の姫君との 危険な情事!
光源氏にとって 政敵の娘との恋は 激しく燃え上がる・・・
穏やかでいるよりも
過激が ほしかったのかもしれない
かがり火に群がる羽虫のように
この桜吹雪のように 舞い上がる
この美しい危険―・・・
むせ返る この花びらは火の粉となって
私を 焼き尽くす
いや 私こそが
花を 焼き尽くすのだ
挿絵:「写真集 窯変源氏物語」より抜粋
この記事は 源氏物語を私風に意訳したものです。
簡潔編集を心がけておりますので、どうか大きな気持ちで お読みいただければと思います。
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