第19回精神保健福祉士国家試験が1月最後の土日に終了しています。
機会があって今回の専門科目問題を拝見しました。
1問目から自殺に関する問題だったのがとても印象的した。
内閣府の作成している平成27年版自殺対策白書からの統計的な知識を問う出題でした。
自殺の統計というと私は警察庁が毎月発表している自殺者数を思い浮かべます。
警察庁の発表は速報値なので毎月数字の並んだ表で公開されています。
都道府県ごとに自殺として処理された件数で、その遺体が発見された都道府県ごとの数値になります。
平成29年1月6日集計分によると、平成28年中の自殺者数は21,764人とのことです。
ピーク時は自殺者数年間3万人と言われてきましたが、そのころと比べると減少傾向にあります。
この数字をそのまま受け止めて、自殺者数は減っていると考えてよいのでしょうか。
あるいは、もう少し深読みしたほうがよいのでしょうか。
自殺者数とは警察が遺体を検分して自殺として処理した案件の数です。
変死で発見されると現場に鑑識等が入ります。遺体についてもすぐに死因が判明しなければ解剖になることもあります。
様々な段階を踏んで、事件、事故、病死ではないとなって自殺の認定となるわけです。
そうだとすると、交通事故では故意に事故を起こしたのかどうか、とか
病死にしても治療を拒否しての死亡、とかになると自殺との線引きは難しくなります。
そもそも自殺念慮が高まると自分を守ろうとする行動を取れない状態に陥ることもよくあります。
そのような状態の時に、たとえ事故で亡くなったとしても本来ならば容易に回避できた事故なのかもしれません。
また、自殺者数は遺体の発見された数でもあります。行方不明、失踪者数は自殺者数の数倍にもなります。無事に発見に至るケースもかなりあるとは思いますが、母体数が大きいだけに看過できません。
よって、自殺遺体の発見のみをもって、自殺問題を考えることには一考を交えるべきだと考えています。
もうひとつ重要なことは、他殺を自殺に置き換えられている可能性も否定できないことです。
死亡の責任を自分自身以外に求めることが出来ないからといって、安易に事故案件や自殺案件としてもよいのでしょうか。
ひとつひとつを掘り下げることは、時間と予算のかかることで現実的ではないのですが、あらゆる可能性を考えておくことは必要ではないかと思います。