なんとなく気分の晴れないこの頃は古今和歌集の仮名序をパラパラとめくります。
私が特に好きな文章で、わけもなく音読するだけでも心にしみます。
作者は紀貫之、「からうた(漢詩)」だけでなく「やまとうた」の神髄をここまで熱く語れるのは素晴らしいと感じました。
仮名序は当然ながらすべてがひらがな表記ですがそれだと読みにくい。現代語訳の付いたたくさんの注釈本が出版されていますので手に入れるのは難しくなく、いろいろ見比べるのも一興かと。
平安時代の和歌集であるため、現代まで伝わる過程で様々な差異が生じているのであるが、その時その時の注釈者の見識を垣間見れるのも、古典文学鑑賞の魅力だと私は考えています。それでも勅撰和歌集だけあって、よくぞここまで残っていたという奇跡的作品のひとつのようです。
ーーーーー
やまとうたは ひとのこころをたねとして よろづのことのはとぞなれりける...
ーーーーー
最初に絶対的な結論を持ってくるところは英語論文調なイメージを抱きます。ここからさらに「やまとうた」について熱く語ります。
それから「やまとうた」の説明や種類の解説、六歌仙など高名な歌人の批評、そしてまた熱く締める、といった構成になっています。
こうした構成にも文章のお手本として充分な価値を感じます。