対義語を並べてみると、分かりやすい。
女性 ↔ 男性
母 ↔ 父
既婚 ↔ 未婚
ここまでは、対応関係がはっきりしている。
では、「主婦」の対義語は何か。
一応「主夫」という言葉はある。
ただ、浸透しているとは言い難い。
日常会話で自然に出てくる言葉ではないし、
社会的にも一般化しているとは言えない。
つまり、
対応する言葉は存在しているのに、機能していない。
ここに違和感がある。
看護師や保育士のように、
性別を問わない職業名へと言い換えられてきた分野もある。
にもかかわらず、
令和になっても「主婦」という言葉は健在だ。
「主婦」という言葉は、
単なる役割を表しているだけではなく、
既婚女性に対するラベルとして機能している。
一方で男性はどうか。
結婚していてもいなくても「男性」であり、
家庭に関わっていても「主夫」とはあまり呼ばれない。
つまり、
女性だけが家庭との結びつきで定義されやすい。
本来であれば、
主婦 ↔ 主夫
と対応しているはずなのに、
実際にはそうなっていない。
対義語が成立しないということは、
そもそも同じ軸で語られていない。
主婦という言葉は、
役割の対義語ではなく、
状態や属性のラベルとして使われている。
だから、
「主婦の対義語は何か」と考えたとき、
うまく対応する言葉が出てこない。
主婦は、対になる言葉を持たない
片側だけのラベルなのかもしれない。